帯那山東尾根~清八峠 雑木の尾根から趣ふかき牧平へ
2023.04.01(土) はれ
山梨市駅からのタクシーは、桃畑の中を縫うように走る。「きょうは一番いい日です」と運転手さん。「ピンクは桃で白は李(すもも)」。
ピンクと白は繰り返し現れ、林床は目も覚める緑色。
車が山間に入っていくと、運転手さんは語る。「天狗山は、子供時代、高下駄で登ったんです」「今過ぎたのは首地蔵、道路改修で下部の大岩を動かそうとすると、必ず怪我人が出るんで、動かすのをやめました」
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「あれは仏岩。中学の頃、友だちとロープを持ってって、上から垂らして登って遊んで」 「そのころ戸市で昼火事があってね、みんなでこの道を駆けあがって、川から水を引いた・・」
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最後の火事の話は迫力があった。もう50年以上昔の、貴重なお話。
太良ヶ峠を過ぎてすぐ、ゲート閉鎖、タクシーここまで。えっ? 帯那山直下まで入ってもらえると思っていたのに。この先、いったいどんだけ歩かねば?
でもしかし、溢れんばかりの日ざしと、心地よい春風をたのしめるチャンスと
ささっと気持ちを切り替えてしまう。(青空に映えるダンコウバイの花)
20分ほどぶらぶら林道を歩き、山に入る。伐採地フェンス沿いの急登を息を切らしながら上り 電波塔の前に出た。
ふ~。再びの林道歩きは~眺望雄大。
青空の下に南アルプスの白い山並みが連なり、眼下には甲府盆地が広がる。
爽やかな山の風に吹かれて歩く道、 咲きそろうフサザクラ↓、
高木のバッコヤナギは銀の玉、ふき出す雄蕊はたっぷりの花粉にまみれ
小鳥たちがはしゃぎながら小枝を飛び回る。
「高原牧場」の牧柵に沿うようになると、じき帯那山に到着。
広い草原は刈り払われ、ますます広々と見える。
正面の富士山だけ雲がかかっているのも、春ならでは。
その後アヤメ群生地を下り、正面の高みのカラ松林に入る。・1381ピークをのっこし、すぐ水ヶ森林道、さらに続く帯那山東尾根はすっきりした雑木林だ。
左手にはドンと、水ヶ森の大きく立派なお姿が。
その時、うす黄色のマンサクが目に入る。一度気づくと淡い黄色は次々と・・
東尾根は、向きと地形によって、強い風に煽らてしまう。
三角点△1307.0の境界標(北字神子屋敷・南八字幡村)を越えたところに、格好の窪みあり。ラッキー、ここでランチにしよう。
この先も、尾根は広くなったり細くなったり、変化をつけながら続いていく。
点々と続く境界標(恩賜林標)は、コース判断のお助けツール (^▽^)。
細尾根になると両側の谷が足元に迫り、展望が開ける。左手の台形は戸谷山、
水ヶ森とペアに並び、林道を起点に二座、歩けるのでは?、φ(.. )。
広尾根の急降下は、落ち葉の大すり鉢に飛び込む感じ、へっぴり腰なくせに、
不思議に優雅な気分で、ずんずん下れる。
小鞍部には、両側からクロスする道あり。
「新(にい)峠かな?」祠の屋根らしき石が転がっていた。
さらに落ち葉道をずんずん下り、石仏と舗装路の切差峠・古(ふる)峠にでた。
峠を越え、金光山を過ぎ、首岩~障子岩と続く岩場にきた。
首岩では記念写真を撮りあう。
今回も気になったのは岩の質、豆板のように石がひっついている、
なんという種類の石だろうか?
そのまま、ぐんと下ると清八峠15:00。さて、どちら側に降りましょう?
赤芝方面は沢の源頭地形の、すりばち状の檜林を下っていく。
道は判然としないけれど明るいので、こちらにした。
ときどき石積みも残り、やがてうっすら道形も見えてきた。
20分ほどで前方に鹿柵が現れ、畑地に出た。その先、赤芝川に沿っていくと、
古風でオシャレな木造二階建に出会う。「元校舎では?」とにらんだとおり、
旧・牧丘町立牧丘第三中学校とか(1968閉校)
隣の神明神社で休憩がてらタクシーコールすると、「きょうは混んでいるので、5時過ぎないと配車できません」。
予想しなかった事態にあわてたけれど、バスが20分後と分かり、いそぎバス停「JA西保支所前」に向かった。
きょうは最後まで穏やかな一日。翌日も、その翌日も、しばらく心地よい感情にたゆっていた、ハテ、どの山に登ったっけ? 細かいことは、ぼーっと霞んで、まるで春のお日よりそのまんま・・・。
甲斐大和では 特急通過の待ち時間に 車内アナウンスあり
「外は桜が満開です。ホームに降りてご覧ください」
【コース】山梨市→taxi(4720円)水森林道ゲート08:30-電波塔09:35(10)-帯那山10:05~10:25-林道10:45-△1307.0 11:30ランチ(60)-新峠13:30-古峠(切差峠)13:50-首岩~障子岩14:35-清八峠15:00(10)-鹿柵15:35-神明社16:00(10)-JA西保支所前BS 16:41→(200円)窪平→(200円)山梨市17:35
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