ミヨリ尾根から小金沢山、そして石丸峠へ　【大菩薩】: 青空に雲が光る

ミヨリ尾根から小金沢山、そして石丸峠へ　【大菩薩】

2021.07.１6（日）　晴れ

ミヨリ尾根は　大菩薩湖に流れ込むミヨリ沢左岸尾根。小金沢山の南に突き上げます。

ミヨリ沢橋に８時到着。緑の茂みにミヤママタタビの赤色が目立つ。

強烈な陽ざしがジリジリ照りつけても、標高1500mの木蔭は爽やか、
尾根上の左は伐採地でカラマツの幼木。右は黒木林だ .

幅広の草地は防火帯か、こんな楽でいいの？。その道もじき右にそれていき、

私たちは直進。尾根上に踏み跡が延び、マルバダケブキやシダ類か繁っている

沢の源頭地形からやや急登になると、いっとき眺望がひらけ、仙丈～甲斐駒～鋸が望めた。

1750mで、右から小尾根が合流する。小台地にて休憩。この先、尾根はなだらかに続き、やがて岩が現れると勾配が増す。岩にはスギゴケ、水ゴケ、なにゴケ？、白っぽく固い苔、ふかふかな緑の苔、すべて驚くほどの厚みで、大きな岩にびっしりと張り付いている。

あ、これは岩じゃない。巨木の切り株だ。

長年にわたる自然の巡りに圧倒されつつ、目の前に横たわる尾根を目指し、きょうマストの急登（岩）を上がる。上がりきれば1900mピークだ。ところどころに美形のダケカンバを見かけた。

苔の岩を巡るように進む。シラベに混ざる緑の葉は、ハクサンシャクナゲ。

勾配は緩くなったが倒木が増え、かなり歩きづらい。

私たちは腰を下ろす場所を探しながら進む、休憩できたのは2000m手前、
すぐ前方には青空。涼しい風が吹き抜ける。こんなに静かな大菩薩に浸れるとは。

稜線(登山道）に出た。左折し小金沢山に向かう。初回（97.08.07）、この辺りは背丈を超えるスズタケだった。今はいかにも大菩薩の稜線らしい、おおらかな緑の丘に三角のトウヒが点々と並ぶ、緩やかな景色が広がる。

しっかし、想像以上の陽ざしにはマイッタ、マイッタ。
予想以上に大勢のハイカーとすれ違う。けれど小金沢山は相変わらず地味。

ランチの前にマエミ尾根の岩場に立ち寄る。岩尾根の左下に、シャクナゲがチラホラ咲いていた。なかなかの美形の花に出会う。

山頂の、風の一番の通る場所にシートを広げる。食事中にも、石丸峠方面から続々登山者が上がってくる。トレランの30人ほどの団体やハイキングパーティも、びっくりした。みんな牛奥雁摺に行くようす、それなら自分たちは石丸峠に行こう。南側の展望

そういえば、小金沢山の北側には、下りたことがなかった。急勾配ではないが、木の根が張り出しつくづく歩きづらい。

そして待ちに待った草原に出た。　狼平のレンゲツツジも葉が食われ、ほぼ裸になっていた。わずかに残る葉っぱたちにエール。　ファイト。

狼平の広い広い草原に風が渡る、ダイナミックな稜線と雲に　昨今の閉塞感から、いっとき　解き放たれた気がした。

狼平、中央のトウヒの木蔭で休憩。ほんとに誰も来ない、じみじみこっち回りで大正解だった。

鹿に食われ。草原にもう花は無いと思っていたが、ササの間にしぶとく咲く花。

岩場にはイワキンバイがたくさん。

その岩場を見下ろす天狗棚山で、ゆっくり休む。
風は通るし景色は良いし。もう、最高！！

そうして石丸峠に向かい、大きなタワを下る、草原にはコウリンカが点々と咲いてる。

コース最後にして現れたの花のミニ祭典にうきうきしながら、樹林帯を下る、

最終バスに乗り損ねたけれど、ゆっくり着替えなど済ませると、コールしたタクシーがやってきた。

きょうは、小金沢山に甲州市側から上がる稜線が、なだらかで秩父的な山深さを見せてくれて、驚かされた(牛奥～すずらん館はカラ松植林なのに）。
帰宅後、「大菩薩連嶺」（岩科小一郎）を読み返す。西南戦争以降、やむをえなかった小金沢の盗伐の話。あのような巨木を、ミヨリ尾根でも下ろしたという話。今は生々しく頭に描くことができる。