写真はポップアップウインドウ、クリックすれば拡大します
2017年8月5日(土)
今日の一枚 キンコウカで埋まる矢櫃萢(やびつやち)
南八甲田は所々が深いササに覆われ、道はぬかるんでいると聞いた。
前日、「旧道コース」にするか「山道コース」にするか相談し、一応「旧道コース」に決めてある。トイレ脇の白板に「山道コース悪路!」とか「駒ヶ峯~猿倉岳の刈り払いをしてください」との殴り書きがあり、私たちの選択は妥当だったと思った。
虫(ダニ)よけスプレーをまんべんなくかけ、足元はスパッツ、首にはタオルを巻く。
旧道は刈り払いされ、乾いて歩き易く、拍子抜けの感あり。
幅広な緩やかな道の右側には延々と石垣さえ… 「実はここ、自動車道だったらしいよ」「へぇ、それで旧道っていうのか、とても車が走れるとは思えないけど」
沿道にはモミジカラマツ(写真)、ユキザサ、シラネセンキュウなどがモサモサ生え、
石垣沿いに、グイッと湾曲した若いブナやダケカンバが見られる。
緑のドームを潜っていく。すばらしいブナ林をすぎる。
ふいに左側が明るくひらけた。息を呑む美しさ。 矢櫃萢(やびつやち)だ、
大きな黄色の湿原は一面のキンコウカ。ロープで中には入れないが、かなり広そう。
「南八甲田はただものではないぞ」といやが上にも期待が高まる。
矢櫃沢には立派な橋が架かる。やがてササが被り出す。ヤマブキショウマにハリブキ(写真)、サンカヨウは実を付けている。左側は沢で、少し切れ落ちている。
オオシラビソの松の香り、ミヤマホツツジなど愛でながら行けば、南八甲田随一といわれる名水・松次郎清水に出る。すっかり汗だくの私たちは、美味しいお水で生き返った。
水場を過ぎ5分もしないうち、沢を跨ぐと小さな湿原が広がる(一ノ沢分岐・乗鞍岳入口)。今日はここまで、当初予定より手前だが、テント場に決定。
道脇にテントを1張だけ立て、お散歩に出かけよう。黄瀬沼まで行けたらナァ。
地獄峠までの道沿いには、いくつもの湿原が現れ、すっかり観察&撮影モード。
カセンソウを大きくしたようなミズギク。
緑のコバノトンボソウ……など。
巨大なミズバショウの葉、ウメバチソウが花開き、コバイケイソウはすっかり種になっていた。所々でワタスゲが穂を結び、シキミのような白い小花咲く(アカミノイヌツゲ(モチノキ科)?
地獄峠で左折。小さな池がありその先は??
道がない、
じゃなく背丈を超すササヤブ、ピンクテープが煩雑に付く黄瀬沼へのルートだ。
先頭が果敢に分け入ったがすぐ戻り、、「道はしっかりしているよ。でもひどい薮、髪の毛が乱れるから、や~めた!」「今からじゃ黄瀬沼には辿り着けないし」
でも、この薮を無性に潜ってみたくなるのは悪い癖、で突っ込んでみる。
薄れたところから頭を出すと・・
(ちょっとだけよ)と思ったが、結果、戻るのに時間がかかり、みんなに心配を掛けてしまった。
地獄峠の道標のらくがき↑
テント場ではプラス2張立て、テント村の完成。湿原のすぐ脇でゆっくり過ごせるなんて夢のよう。
(翌日乗鞍岳方向からテント場方向を見る)
お湯を沸かし、日頃使い切れなかったアルファ米消化の夕食。
冷たい水がすぐ傍にあるのは便利だ。(テン場近くの水場)
ここで予定変更、あすの下山を一日延ばし、あさっての早朝下山することになる。
山の中で2泊も出来るなんて~、、~嬉しいわ~♪
7時前にはすっかり日が落ちた。十三夜の月が皓々と照り、
テントも、湿原の草の波も、銀色に光るっている 静かな静かな、夜だった・・・・
(一日目)晴れ 猿倉温泉P10:15-ブナ10:40-矢櫃萢12:00-矢櫃橋12:10-松次郎清水13:15-一ノ沢分岐(乗鞍岳入口)13:20(テント場)13:50~地獄峠14:40~ササ(20)~地獄峠15:00-テン場15:40
【地図】昭文社:八甲田・岩木山
遙かなる山頂・南八甲田②櫛ヶ峯へ~ に続きます
ではまた~♪
山域別レポ一覧は あしあとへ
最近のコメント