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南八甲田こぼれ話 ○ 猿倉温泉、蔦温泉七沼巡りと、おまけ

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2017年8月7日

南八甲田、2日目の朝、身支度をして下山する。
テント裏の小さな湿原。

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やちぼうず。Img_4701r
そしてお世話になった水場よ、、、、さようなら~

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ダケカンバ林を過ぎ
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矢櫃萢はガスの中
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ブナの森では細い雨がふっていたが

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猿倉温泉に下山した頃は止んでいた。
猿倉温泉はとても良いお湯、日帰り入浴(500円)は、お安い。

それから蔦温泉方面に向かう。
赤沼に行こうと思ったのだが、少しばかし藪っぽく、せっかくお風呂にも入ったばかりでは、気分が乗らない。
そこで 蔦温泉の七沼巡りをする(こちらは整備されている)

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なんとも深くて端正な、あるいは重厚な ぶなの森だ。

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ハイイヌガヤ(常緑低木、日本海側の多雪地帯の特徴的な植物)
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最後に、行きがけに会った 七時雨山(岩手県)のくま 
A                                 (Tさん撮影)

ではまた~♪

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遙かなる山頂・南八甲田③乗鞍岳


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2017年8月6日

13:15私たちも乗鞍岳に向け出発。

テント横の小湿原から、一ノ沢に入る。ルートには点々と赤布が付き、迷いようがない。岩岩の涸れ沢を良いペースで登っていくが、風が通らずしたたかに汗をかく。

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こちらにも、岩には熊の爪痕が多数。Img_4665r
蒸してる、暑い、早く尾根に出ないかなぁとばかり思ってる。 30分ほどしてようやく沢を離れたが、待ちうけるのは、背丈を超えるササヤブ。今朝の櫛ヶ峯より手が入ってないようす。ササはがっしりスクラムを組み、倒木もあったりして、煩い。

とにかく進む。前方の高みが消え、白い空にオオシラビソが数本見えた。
あそこが山頂だと思うが、道は、巻いて、巻いて、また巻いて、なかなかオオシラビソに向かわない。どうなってるの? その時突然、刈り払われた道が現れる。

道を辿ると、南のひらけた小平地で、5mくらいの大岩が鎮座していた。(ガスが湧き展望なし)

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「到着!!」大声で叫ぶ。しかし誰も納得しないのだ。
①三角点があるはずなのに見えない 
②山名を示す物が皆無。
③大岩の下の板に書かれていたのは『この先、赤倉岳、乗鞍岳に至る登山道沿いに・・・』つまりは、乗鞍岳はこの先なの?」「でも赤倉岳は、反対方向のはず…」

前方に待っているのは濃いササの海。赤布が点々と見えるので「とりあえず…」と、有志2人が、飛び込んでいく。

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じき戻ったササヤブ調査隊。
「この道は違うわ、すぐ下ってしまうの、黄瀬沼へ下りていくと思う」

Img_4682r             ハクサンシャシン


ここを乗鞍の山頂ということにして(後日、アタリと判明)、来た道を戻る。

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きょうもまた、誰も来ない湿原での夜を迎える。静かな夜になりそうです。

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【コースタイム】テント場 13:15-乗鞍岳14:05(30)-テン場15:20

猿倉温泉、蔦七沼巡り(南八甲田こぼれ話) に続きます

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遙かなる山頂・南八甲田②櫛ヶ峯

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2017年8月6日

素晴らしい青空。朝の光の中を出発、
昨日歩いた湿原の向こうに、駒ヶ峯が、その奥に櫛ヶ峯の三角形が並んで見える。

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地獄峠を過ぎ、ササを漕ぎ、えぐれた沢を渡ると、登山道が少し広い。
「ここ、テント場かも?」(10年前のエアリアに記載あるが、最新のにはない)

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駒ヶ峯登山口・・う~む、なかなか厳しそうな道だ・・を通り過ぎる。

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「わぁ~!」一斉に歓声が。登山道の左下に広大な湿原(黄瀬田型萢)。

Img_4556r                雲海の向こうに戸来山、三ッ岳


【御鼻部山 】(十和田湖畔)と【櫛ヶ峯】の分岐の道標(さんざ熊に遊ばれた)
現在十和田方面への道はない。

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右折しなおも湿原を進む。なんという広々とした景色だろう。

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これほどの緑に私たちだけ。最高の贅沢を噛みしめつつ、一歩また一歩、目の前の櫛ヶ峯を左に回り込むように進む。

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沢を越える。と、小さな池塘が連続して現れ、まだ花を楽しめる

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やがて登りになると、笹が繁茂しだす。えっさ、えっさ。狭い伐り開きをかき分け辿り、岩混じりの登り坂に汗を滴らす。

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おお、あれが山頂だ

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櫛ヶ岳山頂 (ガスがかかってしまった) 

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南と西はすでに白色、北八甲田の山々がずんずん消えていく。最後まで粘るのは東の展望。黄瀬萢に延びる木道や、濃い緑の樹林帯がハッキリ見える。ときおり陽が射しこめば、直下の青草がビロードのように輝く。

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1時間ほどゆっくりしたろう。東側のガスが動き始め、展望が見えたり消えたりする中、櫛ヶ峯を後にする。

Img_4633r     ササヤブの下り道は、見えづらく難儀する

湿原まで戻ると、来る時にはなかった花々が迎えてくれた。

  Img_4639r              モウセンゴケ

  Img_4650r                ワタスゲ

  Img_4655r           コバノギボウシ

 Img_4654r               黄瀬萢も一面のキンコウカ

テント場に戻ったのは 12時半

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であった人 ・・・  櫛ヶ峯の下で ソロの女性 「白神岳、岩木山、続いてここに来た」という 長靴履き。 逞しい!
続いて
二人のパトロールの方。 駒ヶ峯と乗鞍岳の情報をいただく
その結果、私たちは、駒ヶ峯を止め、乗鞍岳に登ることにした。

【コースタイム】テント場05:30-地獄峠06:00-駒ヶ峯入口  06:20-櫛ヶ岳入口☆07:00(10)-広大な湿原木道-沢 ★07:30-ササ08:00-櫛ヶ峯08:30(60)-★10:30-木道黄瀬萢へ10:40-☆10:55-地獄峠11:55-テント場12:25

遙かなる山頂・南八甲田③乗鞍岳  に続きます

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遙かなる山頂・南八甲田  ①黄瀬沼に届かず


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2017年8月5日(土)

今日の一枚 キンコウカで埋まる矢櫃萢(やびつやち)
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南八甲田は所々が深いササに覆われ、道はぬかるんでいると聞いた。
前日、
「旧道コース」にするか「山道コース」にするか相談し、一応「旧道コース」に決めてある。トイレ脇の白板に「山道コース悪路!」とか「駒ヶ峯~猿倉岳の刈り払いをしてください」との殴り書きがあり、私たちの選択は妥当だったと思った。

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虫(ダニ)よけスプレーをまんべんなくかけ、足元はスパッツ、首にはタオルを巻く。
旧道は刈り払いされ、乾いて歩き易く、拍子抜けの感あり。
幅広な緩やかな道の右側には延々と石垣さえ… 「実はここ、自動車道だったらしいよ」「へぇ、それで旧道っていうのか、とても車が走れるとは思えないけど」

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沿道にはモミジカラマツ(写真)、ユキザサ、シラネセンキュウなどがモサモサ生え、

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石垣沿いに、グイッと湾曲した若いブナやダケカンバが見られる。
緑のドームを潜っていく。すばらしいブナ林をすぎる。

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ふいに左側が明るくひらけた。息を呑む美しさ。  矢櫃萢(やびつやち)だ、
大きな黄色の湿原は一面のキンコウカ。ロープで中には入れないが、かなり広そう。
「南八甲田はただものではないぞ」といやが上にも期待が高まる。
                        
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矢櫃沢には立派な橋が架かる。やがてササが被り出す。ヤマブキショウマにハリブキ(写真)、サンカヨウは実を付けている。左側は沢で、少し切れ落ちている。

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オオシラビソの松の香り、ミヤマホツツジなど愛でながら行けば、南八甲田随一といわれる名水・松次郎清水に出る。すっかり汗だくの私たちは、美味しいお水で生き返った。

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水場を過ぎ5分もしないうち、沢を跨ぐと小さな湿原が広がる(一ノ沢分岐・乗鞍岳入口)。今日はここまで、当初予定より手前だが、テント場に決定。

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道脇にテントを1張だけ立て、お散歩に出かけよう。黄瀬沼まで行けたらナァ。
地獄峠までの道沿いには、いくつもの湿原が現れ、すっかり観察&撮影モード。

カセンソウを大きくしたようなミズギク。

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緑のコバノトンボソウ……など。

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巨大なミズバショウの葉、ウメバチソウが花開き、コバイケイソウはすっかり種になっていた。所々でワタスゲが穂を結び、シキミのような白い小花咲く(アカミノイヌツゲ(モチノキ科)?
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地獄峠で左折。小さな池がありその先は??

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道がない、
じゃなく背丈を超すササヤブ、ピンクテープが煩雑に付く黄瀬沼へのルートだ。
先頭が果敢に分け入ったがすぐ戻り、、「道はしっかりしているよ。でもひどい薮、髪の毛が乱れるから、や~めた!」「今からじゃ黄瀬沼には辿り着けないし」
でも、この薮を無性に潜ってみたくなるのは悪い癖、で突っ込んでみる。

Img_4509r           薄れたところから頭を出すと・・

(ちょっとだけよ)と思ったが、結果、戻るのに時間がかかり、みんなに心配を掛けてしまった。

Img_4515r       地獄峠の道標のらくがき↑

テント場ではプラス2張立て、テント村の完成。湿原のすぐ脇でゆっくり過ごせるなんて夢のよう。

Img_4696r     (翌日乗鞍岳方向からテント場方向を見る)

お湯を沸かし、日頃使い切れなかったアルファ米消化の夕食。
冷たい水がすぐ傍にあるのは便利だ。(テン場近くの水場)

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ここで予定変更、あすの下山を一日延ばし、あさっての早朝下山することになる。

山の中で2泊も出来るなんて~、、~嬉しいわ~♪

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7時前にはすっかり日が落ちた。十三夜の月が皓々と照り、
テントも、湿原の草の波も、銀色に光るっている  静かな静かな、夜だった・・・・

一日目)晴れ 猿倉温泉P10:15-ブナ10:40-矢櫃萢12:00-矢櫃橋12:10-松次郎清水13:15-一ノ沢分岐(乗鞍岳入口)13:20(テント場)13:50~地獄峠14:40~ササ(20)~地獄峠15:00-テン場15:40

【地図】昭文社:八甲田・岩木山

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会津駒ヶ岳と中門岳


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2017年7月22日 (土) 晴れ

             (中門岳にて)Img_4143r_3                      

前日の天気予報は最悪だったのに、雨降りどころか薄日のさしこむ登山口、
上々な気分で歩き出す。
百名山&週末でも、駐車場に空きがあるのは、予報が悪かったおかげかも?

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のっけの急登は覚悟の上、粛々と登る。ジグザグを何度も折り返し、ブナやミズナラの大樹を眺めながら、ようやく休憩場に到着。

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この先は勾配がやや緩んだ上、勢いづいた足は小気味よく私を引きあげてくれた。
         ツルアリドウシ(花と実)Img_4025r

写真左 色白のウラジロヨウラクは、口元だけがほんのりピンクで超かわゆし。
右は ガクウラジロヨウラク

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黒木の香りも芳しき森に入ると、青い実を付けたサンカヨウやハリブキ(やたら多い)、ツマトリソウなどが姿を見せる。

Img_4032r          名前がやっと分かった、ヒメモチという木

やがて木道となり、休憩テラスに導かれた。 ザックを下ろし薄い陽射しに包まれる。「ずっとここで過ごしたいわ~」 なぁんちゃって・・

Dsc_0001r                                   (Tさん撮影)

池塘の回りにワタスゲの白いボンボン、ハクサンコザクラがホラあそこ。イワイチョウ(写真)は咲き始めたばかりだ。

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木道をゆるゆる歩く、次々と登場する花を前にテンションが上がる。

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駒ノ大池を過ぎ、稜線に上がる。まわりは雪渓が消えたばかりのうす茶色。
咲き残りのミズバショウ一株。ワタスゲの花はひな鳥のようで愛らしい。

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会津駒と中門岳の吊り尾根は雪に覆われていた。

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おりしも霧が押し寄せて、私たちは白の世界に包まれる。
「例年なら、ハクサンコザクラの群落なのに・・・」

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中門岳へと登りはじめると、雪渓が消え、むき出しの湿原に変わる。
うす茶のストローの重なりには、いち早く緑のコバイケイソウとショウジョウバカマのピンクが顔を出す。

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日当たりの良い所は緑が覆い、チングルマ(やっと咲き出す↓写真)やワタスゲ、そしてハクサンコザクラが咲いている。

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いくつもの池塘、
あぁ、薄日が射してきた。

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中門岳の標柱は中門大池の畔に立っていた。
ベンチにザックを置き、さらに奥の高みに足を延ばす。

広やかな湿原の緑に、点々とハクサンコザクラが群れ咲いていた。

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最高点の池塘。ワタスゲの白いボンボンが、池の周りを飾ってた。

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標柱まで戻り小休止。 カエルの声、小鳥囀り
、羽虫飛ぶ。ほんわかとした空気感。
夢心地とはこういうこと? 心ゆくまで噛みしめた。
                  

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中門岳、こんな良いところにわたしたちだけとは。


帰りは会津駒の山頂を踏んでから、来た道を戻る。

Img_4177r   会津駒山頂のパノラマガイド  しっかし、四方は樹林に囲まれ展望はなし
       冬~残雪期は展望あるものの、このガイドは雪の下なのだ

焦ることもなく、でも、ひたすら下る。
途中、水場に下りてみた。超美味しい水を味わえ、うんと得した気分。   
9時間行動、実働7時間超かぁ、久しぶり、良く歩いたなぁ。

Img_4209r             登山口の大ミズナラさん、「ただいまっ」

【コース】P-登山口07:25-第一休憩07:50-水場上のベンチ09:10-第一湿原ベンチ10:15-駒ノ大池10:55-吊り尾根で11:20(20)-中門大池12:10(20+散策)-会津駒山頂13:15-駒ノ大池13:30-水場14:45-P16:20
【地図】昭文社:尾瀬・会津駒 

ではまた~♪

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