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下部/峠を越えて山里めぐり

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 2015.03.28(土) 晴れ

三帳の里は屋根越しに満開の梅が溢れ、すがすがしい香りに包まれていた。
南の尾根に向かい林道を歩きだす。

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芦川第三発電所の水路橋の美しいアーチ。明治時代に作られたもので、今なお現役。
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地形図破線路は、馬も通えそうな太い道だ。
歩きながらいつの間に昔の暮らしについて思いを巡らしてしまう

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やがて620m圏の平坦地が現れた。畑だったのだろうか?
茶色の落ち葉の広がりに ダンコウバイの華やかさ。

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鉄砲登りの再開だ。足元には落ち葉が積もる
クリ、コナラ、ミズナラ、ホウノキ、ケヤキ…、「これはカシワ」「これはハリブキ」などと当てっこをしながら一歩、また一歩、ゆっくり登った。

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ゆっくり歩いているのに11時半には1142mの平頂に着いていた。
空はすっかり晴れ上がり暑いくらい。大きな栗の木の辺りをランチ場に決め腰を下ろした。
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黄色なチョウがひらひらひら、あちこちからヒラヒラヒラ、
遠くの梢にヤドリギがのっかっている。5月のような風、さまざまな鳥のさえずり。
そしてここにはだれも来ない。

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1142m平頂から西へは、二重山稜に挟まれた窪地を歩き、地蔵峠に上がり大栂&六角形の六地蔵と再会し

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稜線を折門峠まで辿り、峠から南へ折門集落・下部町への道を下る。
里道は相変わらず優しげに延び、折門への道を分ける「山神峠」に導かれる。

ここからは南へ、初めて訪れるの御弟子へ向かう。道なりに下ると小さなお社、御神酒やシデが供えられていた。今でも手入れに通う人がいるのだ。

すぐ下の荒れ地にでると、正面に真っ白な富士山、眼下には廃屋の屋根と林道(折八古関線)が見える。

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林道に下るとまたお社(諏訪神社) があり、庚申塚も祀られていた。
折八分教場跡地、隣にも小社があり、そこには双体道祖神と天神さまと丸石が祀られ、ここのシデも新しかった。

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点在する平地(屋敷跡か畑跡)は萱に覆われ、桐の大木が屹立している。

庭先に咲くラッパスイセンの激しい黄色、奥に進むと、廃屋とよぶには痛ましすぎる立派な養蚕農家が残る

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さらに下ると5、6軒の家(廃屋)が狭い道の両側に並んでいた(御弟子の廃村として紹介される写真はここだ)。家並みの奥に延びる古い道を追っていく。道祖神や、沢集落への?索道の残骸も見た。

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道は時折ヤブがかり、アヤフヤになったり壊れかけたりしながら連綿と続き、やがて堰堤に。
(沢集落)。県道に向かい沢沿い道を下りながら左の高台に寄ってみると、常夜燈や天神さまなど祀られ、足元にシュンランが咲いていた。

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高台を下ると2基の双体道租神が待っていた。 この出会いのために導かれていたような、不思議な気持ちにだった。

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最後は反木川に沿う県道を歩く。満開のフサザクラ、馬頭さまや可愛い道祖神、そのまま歩き続け根っ子の中村(中河原)まで来た時、コールしたタクシーがやってきた。

17時を過ぎれば、川沿いの家並みは山の影に入ってしまう。しかし空はまだ明るく、西日を浴びた天狗岩がぐっと迫り上がっていた。

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下部は遠いとつくづく思う。けれどきょう見た山里の、消えゆく集落の光景が幾度となくよみがえり、記憶の前から知っていた原風景のような気がしないでもないのです。

Img_7625_r       御弟子にて


【コース】芦川08:17→(\2800)三帳08:30(15)-とりつき08:55-(620m) 09:35~09:50-970m 11:15(15)-1142m稜線11:30ランチ11:40(70)-地蔵峠13:10(10)-折門峠 13:30-山神峠14:00-御弟子・祠14:25~学校跡15:00-沢15:35滝・道祖神16:10-根子・中村17:05→(\4330)甲斐岩間17:20/18:21
【地図】2.5万:市川大門、精進 

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