権現山 広くて深い自然の懐
写真はポップアップウインドウ、クリックすれば拡大します
2015年4月18日 (土) 快晴
浅川でタクシーを下りる。桜が咲き芽吹きの枝が青空に広がっている。
小鳥の声に耳に、オクノ沢右岸尾根にとりつく。右・若い檜林、左・雑木林の急登で、
のっけからハァハァ息があがる。それでも植林の切れる800m圏の台地まで一気。
なんとコナラ林は熊棚だらけ。まるで展示場だ。
この先は地形図で思うより緩やかな、落ち葉の広がる素晴らしい尾根道。芽吹き前の雑木林にミツバツツジの赤紫を追いながら登っていく。
花が増えてくると足元に岩が露出し、最後の急登になる。
左に檜林が出てくるのでそちらに逃げたが、やはり急登には変わりない。
9時半、権現主稜に飛び出た(1452mオクノ沢ノ嶺)。
北面を下降する。広大な落ち葉のすり鉢に落ちる感じだ。
やがてイヌブナの芽吹きを見るようになり、ミツバツツジの花も増え、オオヤマザクラのピンクが点在しはじめた。
勾配が急になり、木の枝やツタに捕まりながら下りていく。常緑の栂が増えてきた。トゲトゲのオオウラジロ、若いオノオレカンバ。
そんな林相の変化を楽しみ下っていくと、左にツガの巨木が現れた。堂々とした真っ直ぐな樹形、まさしく尾根の主である。
らに下るとスズタケ帯に突入(ヤブ漕ぎするほどでない)。浮き石に足を取られぬよう用心しながら下ると、右から沢の音が聞こえてきた。そろそろ尾根も終わりだ。
出合に下りる。尾名手川とトバノ沢の水勢にびっくり。こんな上流なのに限りなく流れ来る水、いったいどこから来るのだろう?
出合を見下ろす格好の場所にシートを敷き、ランチにした。小さな虫がちと煩いが。ミツバコンロンソウ、フタバアオイ、ヨゴレネコノメ、チャルメルソウ。チドリノキは小さなペアの葉を出し、クサギの幼葉はテカテカ光る。日焼けしそうな陽射し。豊かな沢音。すべてが春を謳っている。
次の尾根のとりつきまで約30分。ルンルンな河原歩きと思ったは甘く、何度か沢を渡り返さねばならなかった、ニガテ。
中ノ沢左岸尾根、まず柔い出っ張りを這い登り。安定するまでの標高差70mくらいを、猫足登りの体力勝負。フーお疲れさん
後はハッキリした細尾根をぐいぐい登るだけ。ヤブ無し岩無し?それで花も無し? ただひたすらの単調な登りなの? 去年の右岸尾根では、のっけからお花の歓待を受けたのに。
同じくヒカゲツツジもみかけるが、やはり・・・、でもか弱い花を僅かでも、そっと咲かせてくれてありがとう。
1108m岩峰に立てば、あとは前方に聳える麻生山に登るだけ。まだ日は高い。足取り軽く最後の急登をこなしていくと、この尾根にも主さまの大栂が、どしっと踏ん張り尾根を守っていた。こちらは半身ウロを抱えたご老体、どうか長生きしてほしい。
麻生山三角点峰に15:45、いつの間にこんな時間。でも日の入りまでは2時間以上あるし、お天気はよいし、暖かいし、降りてしまうは惜しいような、この平和な満足感にずっと浸っていたくなる。動きたくないよ。
16:00を過ぎ、ようよう腰を上げ、南西の長尾根に入る。陽射したっぷりで明るく、歩きよい。長尾根は、疲れているはずの足に少しも負担を与えない。
夕暮れの陽射しを受けてミツバツツジはより色濃く、下るほどに周りの山々は緑に変わっていく。
三森方向
最後は若葉色の林をぬけて里に出た。
イカリソウ、ヤマルリソウ、ヒトリシズカと、豊かな里道をたのしみつつ、富岡バス停に向かった。
【コース】猿橋07:02(10)→(タクシ-3790円)浅川07:30(10)-1252m奥ノ沢ノ嶺 09:30-下降09:40-トバノ沢出合11:50(60)-中ノ沢左岸尾根13:25-麻生山三角点△15:45(20)-富岡18:15/18:35→(\410)猿橋19:00
【地図】昭文社:高尾陣馬 2.5万:上野原、猪丸、七保
では また~ (^_^)/~
山域別レポ一覧は あしあとへ
| 固定リンク
コメント