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2012年12月31日 (月) くもりのち快晴
ヤタ尾根分岐から大笄を見る
2012年の山納めは大晦日になってしまった。
神ノ川からの基地・日陰沢園地は、朝7時というのに妙にあたたかく、変な感じ。
空模様も荒れ気味で、大室山方向は抜けるような青空なのに、蛭ヶ岳の辺りは厚い雲が湧いている。
ゲートの奥を1時間ほどでの扇の要の広河原に着く。
ここから川や尾根が八方に延びているのだ。

広河原名物フジアザミも、今はこんな風↑
わたしたちは堰堤のそびえる 彦右ヱ門谷の奥へと進む。

要塞のような堰堤には、鎖とか、細かなハシゴとか、古いハシゴとか…があり、
「次はなにかな?」と、わくわくしながら越えていく、

やがて広々とした石ごろ原のずっと先に沢の出合が見えた。
左の沢が源蔵小屋谷、右は(水量が少ないけど)本谷。その又に盛り上がるのがきょうの尾根。(実は左に別尾根もあるが、きょうは右尾根)

例のごとくグズグズな急斜面だが、とっかかりはあるので慎重に、ぐいぐいと登っていく。微かにたわんだ右側を登り、撓みにしゅるしゅる流れる小沢を見て、1000mあたりで左にトラバース、尾根の稜に上がる、そして右折する感じ。
稜に出ると、別尾根との間に、なんとも美しい滝が、ガガ~と落ちていた!
すごいよ、ホントに!! 垂直に10m?いえ、30m?、下方にも延々とナメ滝を従え、かなりな滝。 しばし滝見を。
さらに急登は続く。
薄い灌木が煩わしく、曇天の空と相まって荒れた感じは否めない。
枯れたスズタケを見るにつけ、以前はかなり歩きづらかったろう。
鹿フン、倒木、蔓のたうち回っている。ジャマになるほどでないけれど。

標高1200mあたりからようやくブナが出てきた、
シロヤシオの大木もぞろぞろと。

1300m圏あたりでアセビがちょろり、緑の色はなつかしく、淡紅色の蕾に癒される。
右下の谷には、すっくと立った巨木・・根回り5m越えのミズナラとか。
大きいだけでなく美しい

やがて左からの別尾根と合流する1370m台地、ふう…、休もう。
いかにも丹沢という感じのブナやシロヤシオの森、5月頃、再訪できたらな
1400m辺りにくるとはだら雪の急斜面で、枯れ葉の下は凍土、緩斜面なのに
つるりつるりと靴ごと1mくらい滑り落ちてしまい、歩きづらいことこの上なし。

12時近く、やっと主稜線(登山道)に出られた。振り返れば蛭ヶ岳はガスの向こう。青ヶ岳山荘の煙突から煙が出ている。今夜は年越しのお客さんでいっぱいかな。
突然、ふっとガスに包まれたと思ったとたん、ガスは去り、アレレ!
周りの木々に氷の華が。

頭上には透き通るような青い空。別世界にワープしたのか?、そんな感覚。

檜洞丸の山頂では、日の当たるベンチでランチ。さすが大晦日、すいている。
熊笹ノ峰分岐までの稜線は、霧氷で飾られた道。
陽射しに溢れ暖かく、明るい空に透き通るような氷の華が、キラキラ反射している。

2012年の山納めにこんなイベントが用意されていたなんて、神さま、ほんとうに、ほんとうにありがとう。

今のこのときが惜しくゆっくり歩く。シナノキ。ヒメシャラ、そしてイタヤカエデ、大ブナ、おおらかな巨木たち。

熊笹ノ峰を乗り越え、ヤタ尾根分岐のベンチが日なたにポッカリ、待っていた。
あたたかそうだし、「もうちょっと、ここにいようよ」みんなの気持ちがなんとなく揃う
ベンチに寝っ転がって空をみた。真っ青な中に、霧氷が梢が光ってる。

頬を撫でる優しい風。きしきしきし、頭上に張り出したブナの梢の霧氷が溶けて、はらはらと舞い落ちてきた。きしきしきし、透明な音。怖いほどに青い空。たっぷりと味う幸せなとき・・

下山はヤタ尾根。ランドマークの大ブナに「ありがとう」とタッチして山を下りた。

笹が減って広々としたヤタ尾根だが、日陰のせいか土が凍り、滑りそうで気を遣う。
それでも16時前には駐車場所まで戻れた。
一年も、終わり良ければ全て良し。
今日の素晴らしい一日が、来年の良いことに繋がりますように。
小さな草も・・・
ホソエノアザミ マルバダケブキ
【コース】550m日陰沢園地P 07:00-720m広河原 08:00-850m源蔵小屋谷出合 09:00-1000m 09:35-1370m11:15-1521m主稜線11:50-1601m檜洞丸 12:10(50)-ヤタ尾根分岐14:05(15)-林道15:20-P15:50
【地図】昭文社:丹沢 2.5万:中川
では また~ (^_^)/~
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