生きてる森だよ、西丹沢
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2010年1月30日 (土) 晴れ
もう1週間たってしまいましたが 西丹沢の森を歩いたレポをアップします
7時過ぎ、山伏トンネル西口Pから歩き出し、山伏峠~大棚の頭、分岐を北に向かい、水ノ木分岐の先の要所小屋の頭から 東海自然歩道と分かれて、西丸に繋がる尾根に入ります
まだ1月というのに陽ざしは力強く木々は陰翳をクッキリと浮かばせています。
スズタケに綿綿と続く道は西丸の目前で左にそれ、山を巻きはじめます。
東京都の水源林と似た雰囲気の広やかな雑木林が広がります。やがて西丸北尾根にのって下り始め、奥世附歩道の下段歩道を左に分け、白ザレの細尾根をわたり杉の植林に入るとジグザグ下るしっかりした道になります。
じき沢音が聞こえると沖ビリ沢です(エアリアの沖ビリ沢とビリ沢の間の沢)。
花崗岩の細かな礫が透き通った川底に美しかった。
金山沢との出合から、上を走る水ノ木林道にあがり、切り通されただけの崖とダートの道を菰釣橋まで歩きます。
殺風景な林道のようすは いかにも西丹沢らしくて、今ではすっかり好きになってしまいました。
菰釣橋のたもとでひといきいれ、いよいよ本日のメイン、1192m峰の尾根の登りになります。とりつきは立派な杉林から始まり、807m峰、907m峰(鍋釣山)、・・・
スズタケがあったり、杉林で歩きやすくなったり、落ち葉の撓みがあったり、白ザレの細尾根があったり・・・ いろいろ変化のある道です
でもなにより 素敵な木々との出会いが楽しい道なのでした
アカガシ、桜、大きな樅 欅、でもほんとうは、名前の分からない木の方が多いので
木の幹をさすり 枝振りを眺め、落ち葉を探したりして みんなで考えながら歩きました
上に行くにつれ、アカガシやシデ類が減り ぶなや樅の木が多くなってくるのも肌で感じられます
落ち葉の撓みから 思いかけず富士山が見えた時には 歓声が上がりました
左に東丸、右に西丸を従え すっくと立つ富士山がカッコイイ。
1017m峰で植林は終わり、いよいよ”西丹沢の森”核心部(とわたしは思う)です
圧倒的なブナの巨木たちの
白い肌が艶やかで、勢いよく大空に枝を広げる生命力に溢れた木があるとおもえば、
コケをはやし梢を縮こませた老木もあります。
まだ若造といった感じの頼りないひょろすけもいます。
そんなのに混じってかなりでかいミズナラと出会いました。(ここにミズナラは少ないし、ダケカンバは見ない) 二人がかりで抱きついてもまだ届かない堂々たる風格は、『尾根のぬし』にふさわしいものでした
1192m峰のピークには何のシルシもなかったけれど、静かで威厳があり、ぐるりと峰峰に囲まれているので独立峰の佇まい。とても素敵なところです。
1192m峰からの逆落としの急降下は、尾根からカクンと曲がらなければならなく、要注意の場面です。
くだんの尾根を見つけスズタケをくだると、ここにも白ざれの細尾根が現れますし。
注意深く通り抜け、まだまだ続く白ざれの山腹をへずると、、
がっしりした尾根になりますが、スズタケ濃い急な登り道、
エッサホイ、エッサホイ、と 息も切らせず上り詰めると ご褒美のような緩斜面に出でられます。
あとはなだらかな道を10分ほど歩けば甲相国境の稜線に到着、ベンチのある油沢ノ頭は西に10分ほどのところです。
小笹に縁取られた小道を、小さなピークをこえながら歩きます。
西日がだいぶ傾いてきました。前方の大きなブナは逆光に映え、素敵なフォルムを際立たせています。 足元の笹がキラキラひかっています。
あたりはオレンジ色をまし、気温はぐっと下がってきました、真正面の富士山もシルエット、そこに西日がぐんぐん落ちてきます。
「まっさか、ダイヤモンド富士だったりして~~」
「そんな都合のよいことあるわけないよ」
でも、「まさか」は 「ホント」かも、と、だんだん思えてきました。
日の入りのとき、富士山の見えるところで、確かめたくなってきました。
太陽が沈むのって思っているよりスピードがはやいのですもの、急ぎ足です。
いよいよ日が沈むぞ~!というとき、ジャスト 「要所小屋の頭」に到着。
目の前には、よく写真で見ていたあの富士山のダイヤモンドがありました
偶然!、偶然!、偶然ですもん すごいじゃない、
ふわふわした興奮に包まれながら、大棚の頭をこえ、送電塔を過ぎ、トンネルを抜け駐車場所に戻ったのでした。
【コース】山伏トンネルP 7:20-要所小屋の頭 08:10 - 沖ビリ沢 09:10-菰釣橋 10:15(20)- 876m 10:50-鍋釣山970m 12:10- 1062m 13:30- 1192m14:10- 甲相稜線15:15(15)- 要所小屋の頭16:30- P 17:00
【地図】昭文社:丹沢 2.5万:御正体山、中川 施行地図(世附)その他
では また~ (^_^)/~
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コメント
こんばんわ。
相変わらず元気に登られていますね。何時も拝見させて戴いております。
鍋釣山(970mですよね?)には昨年の2月と2004年の11月と二回行きましたが山の名前が解からなかったので気になっていましたがやっと解かって嬉しい限りです。
2004年は大栂から大栂西南尾根を下りて水の木沢左岸に下りて、鍋釣山、1192峰を繋いで甲相国境に登り返して(此処は同じ歩きですね。)菰釣山に戻って来たのですが、その時は1192から急降下するあの尾根はそんなにざれていなかったのに、昨年の二月に行った時は結構ザレが進行しているように思いました。
大栂西南尾根もブナが素晴らしく奇麗でしたよ、黄葉も。又行きたくなたなあ~(^^♪
投稿: フクシア | 2010年2月 8日 (月) 21時24分
いえいえ
わたしは低空飛行でございますので
フクシアさんの飛んでる空を、見あげるばかりなのです
2004年の11月のお話はきいていましたので
この尾根はずっと心に引っかかっていました
行ってみて 改めて1192m峰が周囲から独立している不思議な山と思いました。
あと西丹沢の白ザレですけどね
ときどき出くわしますよね これって 丹沢を作っている地層の、何層かめにかぶっている薄い膜のようなのかもと妄想するのです
以前 丹沢山塊を饅頭にたとえると 畦ヶ丸は饅頭にはみ出たあんこだと聞いたことがあり(すごい喩えでしょ)
とすると 白ザレはまさに あんこを包んでいる求肥におもえて仕方ないのです。
目に浮かぶのは 巨大な饅頭と、はみ出ているあんこと、
薄い求肥をの上を歩く わたしです (笑)
大栂西南尾根も面白そうですね
投稿: ba_sobu | 2010年2月 9日 (火) 18時24分