イデン沢をたづねる
2010年1月10日 (日) 晴れ
サガセ西沢林道は雪に覆われカリカリに凍っていました。
ゲートからブナ沢乗越までは日の射さない北斜面を上ります、
締まった雪を踏んでいると靴の下からカシャカシャという感触・・・一年ぶりです。
見上げれば稜線の木々が朝日を浴びています。はやくあの陽だまりに出たい、振り返ると道志の山々も青空をバックにすっきり晴れ上がっています。絶好の登山びよりです。
甲相国境稜線に出ると(ブナ沢乗越)、雑木林の梢ごしにオレンジ色の海が見えました、キラキラ輝く海は、内部に太陽を抱えているよう
早朝の陽ざしを斜めから浴び、木々はくっきりとした陰影を見せます。
そんな登山道を菰釣山に上り詰め、お楽しみ!富士山とご対面、
北風に吹かれながらも、20分も見とれてしまいました。(トップの写真)
さて南尾根を下ります。風がないので大いに助かります。
笹薮はあいかわらず元気、そんなササからぬっと突っ立つ寡黙な大ブナには、畏敬の念をおぼえてしまいます。
緩斜面になると笹はおとなしくなり、富士山を眺めながら歩けるようになります。。
大タルといわれる最低鞍部はややキレット状、再び繁茂しだした笹に延びる細いふみあとを辿り、一山越え、二山越え、三つ目あたりが大栂山頂です。
大栂は小笹のそよぐ涼やかなドーム、ブナの大木や中木がすらりと生え、深く静かな空気に満ちています。東側の斜面はこのまま降りていきたくなってしまう雰囲気。
大栂から南に少し下り、左に曲がる尾根に入ります。
そこは巨木の林立するとっておきの尾根です。わたしたちは素晴らしい木々と、友だちのように会えるのです。 大栂で休んだばかりですが、またザックをおろします。
いよいよ、城ヶ尾歩道(イデン沢側)に入ります。踏み跡すらおぼつかぬ物好きの行く道だけど、イデン沢界隈にあこがれているのですから、。
北側斜面は雪に覆われていました。三人で目を凝らし道を探るのですがなかなかどうして、道らしくもありそうでないようでもあり、、見当をつけてたどってゆくのです(といっても決断はわたしにゃできません)。
沈黙の雪景色・・トラバースには細心の注意をはらいます。
丘を越えたところで真下に枝沢が見え、対岸は日なたで、大木たちがおおらかな手足を広げていました 、いよいよ イデン沢核心部です。
枝沢をこえ日なたに入ると雪が消え、まちがいなく今歩いているのは城ヶ尾歩道と確信できました。道はしっかり山腹を捉え、シオジの木々を縫ってゆきます。立派な樅の木や、子宝が授かりそうなブナたちがあらわれます。
次に降りた沢がイデン沢本流とか。
ランチの後は、沢を越え、歩道をさらに辿るつもりでしたが、13時をすぎていたし、目の前の道が壊れているしで 、そろそろしおどきと判断、城ヶ尾歩道から離れ、尾根を上がってしまうことにしました、
登る尾根(イデン沢940m圏二俣中間尾根)には樅の大木が目立ちます。まっすぐな幹に青々とした葉を揺らせてます。
地面には古木が倒れています、世代交代はうまく行われているのでしょうか?
倒れて腐ったブナの、芯だけ残り、恐竜の歯のように突き出しているヤツに足を取られ、痛い思いもさせられたり・・!
ブナの巨木が目立ち始めると、シキリ尾根は目の前です。
なんとも素敵なブナたちでしょう。「やっぱりシキリ尾根はすごいな。」
とくにここあたりは見せ場なんです。「やっほ!やっほ!」
菰釣山に戻ったのは14時半、朝の鮮やかな富士山は逆光の、斜めからの光が眠たげです。風はなく、時間はたっぷり、おやつをいただいたり、お茶を飲んだり、、、
【コース】サガセ川林道脇P 07:10-ブナ沢乗越0805-菰釣山08:45-大栂09:40-城ヶ尾歩道10:25-イデン沢11:20-シキリ尾根14:25-菰釣山14:35(20)-ブナ沢乗越15::00-P16:00
【地図】昭文社:丹沢 2.5万:御正体山
大栂の東尾根とシキリ尾根は何度でも。
きょうの尾根の隣の尾根も、イデン沢ぞいに枝を広げるシオジやぶなやおそらくカエデの木々たちと、ゆっくりと交歓しながらあるきたい・・・なんって 夢を見るのです。
では また~ (^_^)/~
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