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ツバノ尾根高丸山七ツ石山唐松谷林道

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2009年11月28日 (土) 晴れのちくもり 

けさは素晴らしい青空で始まりました
    
Pb280001s 北側からの石尾根   

日原は久しぶりです
奥多摩駅から日原街道に入り、東日原を過ぎるとちょうど一番バスが到着したところ、何人かの登山者が歩きはじめていました。

左に深い日原川を隔て、中日原に向かう道筋の、家々の屋根の並ぶその向こうに、
どーんと現れる稲村岩の、朝日に輝くさまはなんと神々しいのでしょう。

小川谷を分け、日原本流にそってなおも奥へと車を走らせます。八丁橋をすぎ、ヤケト尾根を回り込み、右の尾根を切り通すあたりが日陰名栗沢出合いです
いよいよ山に入ります。

Pb280003 徒渉地点へ下る

「日原本流の徒渉が第一の、そして最大の関門」というのはまさにその通りで
沢に降り、靴を脱ぎ冷たく激しい流れをわたり、崖としか思えない岸に這い上がり、グズグズの急勾配をよぢ登る、ツバノ尾根上にたどり着くまで、気の抜ける所はありません。思いっきり大きな岩でさえ、ひっつかめば剥がれたりするのですから。

Img_2993s_2 そろそろ尾根上か?

ですから、2.5万図上で1センチほどの距離を行くのに、1時間以上かかったのは当然と思います、尾根上で、ザックをおろしたときは心からホッとしました。

Img_3002
ここまで来ればひと安心

ツガやアセビの緑濃い 藪のない山道を登ってゆきます
皮の剥がれている大木はオノオレカンバ、、、、、、去年名前を知り珍しい木と思っていたオノオレカンバが ごく普通に生えています

Img_3010 静かな・・

やがて 暖かい日の光が射しこんできました
1190mあたりは緩斜面になっていて すらりとしたブナの林が広がります
この尾根にこの広がりとは! 

真っ直ぐなブナたちの 幹周りは3~4mほどでした。

この先も、ヤブの名残りの笹の急斜面と、穏やかな緩斜面が交互に現れ、ダケカンバやブナの森、ツガなど黒木も増えてきました

Img_3021 枯れかかる笹

「7.8年前はこんなモノじゃなかった」 かつて掻き分け進んだというササ原には、今や獣たちの道のおかげでスイスイ歩いけます。

最後はツガ林とササに覆われた高丸山の丸いドームを一気に上り詰め
石尾根の稜線に出ました。

Img_3042 石尾根

縦走路から少しだけ外れた石尾根の防火帯なので誰もいません。

陽ざしは翳ってしまっていても、大らかな曲線や樹相の美しさ
比類ない石尾根の宝ものです

千ツツを越え、七ツ石神社にお詣りし、七ツ石山を越えるとブナ坂の分岐。
右に唐松谷林道が分かれます

Img_3060 

きょうはこの唐松谷林道を下るのです
初めて歩く♪♪道、渓畔林の続く素敵なみち。葉のある時期にも歩いてみたい。

Img_3068
長閑そうですが  谷側は思いのほか切れ落ちています

赤茶色の落ち葉の世界なのに ところどころぱっと明るく思える場所があります
そこはシオジ林、色づく前に落ちてしまう葉が敷き詰められ、白い広がりになるのでしょうか

Img_3079 つり橋

富田新道からの道を合わせると、じき日原川にかかる吊橋があります
沢筋から上を走る大ダワ林道まで、10分ほど上り返せば 
あとは林道をぶらぶら 
車まで歩くだけ。


林道からの見下ろす日原本流はあまりにも深く、裸木の七重の重なりの、さらに奥深くを流れています。
そこから突き上げる尾根たちは、どれも険しい岩崖をはべらせ、急激に標高をあげるものばかり。 近寄りがたさが 魅力☆のひとつかもしれません

その中にあってツバノ尾根は、大きくゆったりとみえます。
きょうは、
どうにかわたしも受け入れてもらえ、素敵な一日をすごすことができました 
ありがとお 

Pb280050_3 ツバノ1600m辺り

【コース】日陰名栗沢出合あたりP 07:20-ツバノ尾根上 08:35-1190mあたり 09;30-1600m辺り 10:30- 高丸山11:25- 千ツツ下12:00/13:00- 七ツ石山13:40-ブナ坂13:45-富田新道15:10- 林道15:40-P 16:40

Img_3054_2

【地図】
昭文社:奥多摩  
2.5万:武蔵日原 雲取山 丹波

山域別レポ一覧は   あしあとへ

    七ツ石神社の裏に並んでいる 
         石灰岩の巨石たち→

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コメント

こんばんは。komadoさんところの掲示版に徒渉点の写真を載せたらkomadoさんも同じ地点の写真をアップしてくれて小生も思わず微笑んでしまいました。宮内本によれば、「天祖山参拝のための径があった」とか「口碑に七ツ石山から将門がこの尾根を降って天祖山を経て大血川へ逃げたとある」などの記述がありますが、実際登ってみるとわかるような気がします。日原川の取り付き以外は比較的なだらかですね。登山道のない時代ならば、稲村岩尾根よりこの尾根を下る方が楽でしょうね。
オノオレカンバは知りませんでした。お蔭様でネットで勉強させていただきました。斧が折れるほど硬いので実印に使われているとか、金袋山のミズナラの近くに大きなのがあるとか。今度は気を付けて見てみます。

投稿: AKIO | 2009年12月 3日 (木) 20時37分

AKIOさん こんばんわ
徒渉点の写真 ほんとに同じ構図ですね
徒渉点・・「よくぞ、このピンポイントを見つけたものよ」と感心しました
一度、下見をしたとKomadoさんはおっしゃっていましたが
そうでもしないと なかなかあの地点は分からないと思います わたしなんざ、苦労の結果をいただけたわけで 大変ありがたく思います。

さてオノオレカンバですが、木の名前を知ったのは去年の冬。三条新橋の近くで気がついて ずっと「ナンダロウ?」と思っていたところ ネット上で名前を教えて頂きました
それからは わりと気をつければ見つかるようになりました。 
とはいえ どこにでもある木じゃなく 奥多摩や秩父の山深いところですが。

歩けば歩くほど知らないことを自覚するようになり 山はますます奥深くなりますね。

その一端を一緒にひもといていかれる仲間がいることは嬉しいです。

AKIOさんが「登山道のない時代ならば、稲村岩尾根よりこの尾根を下る方が楽でしょうね」とおっしゃったことも、いわれるまで 思いつきませんでした。なんでそんな遠回りをして行ったのだろうと思っただけで・・・。
そうか、なるほど そういう見方も出来るんだ、メカラウロコというやつでした。

これからもよろしくです。
勘が鈍くどうも理解が遅いのですが。

投稿: ba_sobu | 2009年12月 5日 (土) 23時41分

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