利尻山(リシリサン・1719m)
(写真はポップアップウインドウで拡大できます)
2009年7月6日 (月) 濃霧のち晴れ
ことし夏の利尻礼文は、雨ふりで寒い日が続いているそうです 登山情報には
「利尻山北面には雪渓が残り、親不知子不知の難所通過には10本アイゼンとピッケルが必携」とか、、困ったぞ、どうしよう。 でも出発の前日利尻町に電話したところ
「6月30日登山道を整備し、雪渓にステップを切ったのでアイゼンなしで歩けるようになりました」との朗報、
おかげで 沓形から登り、鴛泊に下山することができます。
↑翌朝の利尻山、 フジカンゾウ群生地(鴛泊)から
よく晴れていますが右の沓形方面は雲に覆われています
このように、夏は東の鴛泊が晴れていても西の沓形は曇りが多いのだとか。
残念ながら重い雲の中での出発となりました。利尻は観光の島、トイレは綺麗で清潔、青い街灯もオシャレ。
登山道は背の高い笹の間に延びていきます。 そこそこな勾配、でも石がゴロゴロ、ぬかるんでいるしで歩きにくく、時間がかかります
背が低い(伸びられない?)貫禄たっぷりなダケカンバが、北海道らしい雰囲気です。
足元にはトリアシショウマやコヨウラクツツジ、ゴゼンタチバナの花、 スズランの葉もたくさん見かけました、少し前なら会えたかも。
六合目(五葉の坂) 6:50 やがてハイマツ帯に変わり、笹原がひらける景色に。でも、あいかわらず濃い霧が渦巻いているし風が強い。
避難小屋も霧の中から突然に現れた感じです。
赤いブロック造りの、窓のない素っ気なさは、この場所の厳しさでもあるような。
七合目(礼文岩…礼文島が見えるとか)、八合目を粛々と通り過ぎます、
道のぬかるみは相変わらず、ますます濃く重い霧は、もう霧雨なのでした。
水をはじくはずの上着も濡れてきました。
そんな道は、登るにつれてお花がドンドン増えてきます
ミヤマアズマギク エゾツツジ
霧にぼやけ露にうなだれているけれど、珍しい高山の花に目を奪われ、雨粒を気にしつつもデジカメを向けています。 コケモモ、エゾツツジ、
エゾイチヤクソウ、イワベンケイ
ハクサンチドリ、ヨツバシオガマ、
キバナノコマノツメ、チシマフウロ、
ミヤマアズマギク……
ボタンキンバイはひときわ豪華
← ウコンウツギは道を縁取る。
三眺山(九合目) 09:10
お花に見とれているうちに到着。
霧がなければ目の前に、利尻山のド迫力な姿があるのでしょう。ザンネン ブルルル…ル きょうはただただ風が唸っている。
祠の横に隠れるように風を避け、カッパを着ました。
この先難所が待っているというのに。
この風、この霧、なんとかならない?
三眺山から靴裏の感触が変わりました、そう、細かな火山灰がサラサラと逃げていくような地盤です
「これかい?」 難所たる所以は。
「背負子投げの難所」→
気を付ければ大丈夫。
両側が切れ落ちた「細尾根」
ここは慎重に歩けばクリア
細尾根は、ああ、花の尾根でもありました(^^)
「親不知子不知の難所」
わたしのニガテなザレの通過です
靴の底から崩れていきそうな、細かい粒の赤い火山灰地です。
大きな岩も浮いているし、トラロープはルートガイドなので触ってはいけないのです(写真なし)
「急登の岩登り」 →
まぁここは、怖いけれど、滑るけど、わたしにとってはザレよりまし !
鴛泊コースと合流 10:20
急に 賑やかに。 おりしもツアーの一団が通過中でした。
広い尾根で落ちる心配はないけれど 脆い火山灰であることにはかわりありません。
まぁ、ゆっくり、歩けば良いのです。
両側には 北国の高山植物がいっぱいですし。
「右は崩れるから、左側を歩いて・・」
前を行くツアーガイドさんの声に大助かり
「右は谷の下に登山道があるので 石を落とさないように」
えっ?ここって、親不知子不知の上にあたるの?
ひゃぁ、凄い崩壊地だったんだナァ
イワウメ 赤いツガザクラ チシマイワブキ・・・・・・。
チシマフウロとハクサンシャジンは相変わらず いっぱいいっぱい…
.
.
祠があり、北側は絶対立入禁止、奥には北峰より3m高い南峰があるのですが、霧で見えません、ローソク岩もな~んにも見えません。
30分ほど粘りまして 下山
なにしろ 風が強くて…
火山灰地の道は心配するほどでもなく、降りて行かれました
合流点を過ぎ、細い尾根を通過し
なんだか、空が明るくなってきたようです…
尾根の右は緑の谷で、ハクサンイチゲ(白)やボタンタンキンバイ(黄)の大群生…
と思う間もなく目の前に 大きな青い海が広がります
鴛泊港も見えるでは ありませんか!
振り返れば利尻山の勇姿が…
この素晴らしい景色に、今までの鬱屈は サァーッと消えていきました
長官山(八合目) 13:00
あとは陽ざしいっぱいの ダケカンバの森をドンドン下って行きます
笹に混じってミズバショウの葉も見えます
時々ひらけた台地に出ますが、相変わらず強い風でおちおち休んでもいられません。
なんという陽ざしの強さでしょう。
見慣れている黒木の森とはちょっと違う雰囲気、葉の色? 葉の大きさ?
小鳥が鳴いています
心が洗われる気分です
ついハナウタも~~♪
・
甘露水 15:20
「あと10分で登山口」
やっとついた、あと少しだ ホッとしました
ここのお水は本当に美味しかったのです (「利尻の水」の源水とか)
最後にほっとしすぎてミス。
登山口に10分で着くところ、 25分も歩き「姫沼コース入口」に出てしまいました。
まぁ ご愛嬌ってことで… (^_^;)
【コース】見返台登山口 05:50- 五葉の坂(六合目)07:20(10)-礼文岩(七合目)07:20(10)-礼文岩(七合目)07:30-八合目08:30-三眺山(九合目)09:10(10)-合流10:20-利尻山 10:50/11:20-九合目12:10-長官山(八合目)13:00- 五合目14:20(10)-甘露水(三合目)15:20(10)-姫沼入り口15:55
【地図】 利尻山登山ガイド (町発信の登山情報) 昭文社:利尻・羅臼
・
可愛かったよ♪
では また~ (^_^)/~
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コメント
あぁ・・・利尻ですかぁ。。。
個人的には深田百名山とは一生縁がないと思っているから、利尻岳にしても山頂付近がオーバーユースでかなり荒れて歩きづらくなっている、なーんて事しか知らなかったりしていたので、おかげでコースとかお山の雰囲気とか・・・この記事を読んで初めて知りました。
なかなかタフな山ですね。そしてなんと端正なお姿の山!「今までの鬱屈は サァーッと消えていきました」と仰られた展開に読んでいるこちらもそんな気分にちょっとなれました。(^^) ありがとう。
投稿: komado | 2009年7月12日 (日) 18時55分
こんにちは。
北海道の山でしたか!
北海道は梅雨もないらしいし、途中から天候に恵まれて良かったですね。一枚目の霧に浮かぶ山とお花の写真がやはり印象的です。お花もたくさん咲いていたようですし、楽しかった様子がとっても伝わってきました。
美味しい海の幸も満腹されましたでしょうか。
投稿: リブル | 2009年7月12日 (日) 20時05分
なんとも羨ましいっす。
投稿: タカ | 2009年7月13日 (月) 07時00分
komadoさん
わたしは利尻が深田百名山だったこと、今回初めて知ったほどな無知です。 百名山に組み込まれたことがオーバーユースの原因のひとつだったとしたら、利尻山にとって、ホントに罪なことです。
利尻山って驚くほど美しく、そして神々しい山。
全島どこにいても聳えているし、海にいても、空にいても 聳えているんです
あの山を見て登れると知ったら、登らずにはいられないでしょう。
ぜひ そのお目々で山をご覧になって、その足で頂を目指して下さい。 まだまだ時間をたくさん持っていらっしゃいますもの、いつか、きっとね。
投稿: ba_sobu | 2009年7月13日 (月) 09時18分
リブルさん
いやはや ことしに限っていえば天候はイマイチ、島の人がいってました。 晴天の日にするコンブ採りも、ことしはまだ2回だけしかできていないとか。。
でも、思い切ってきて良かったと思います。
もちろん 海の幸を満喫。
嫌いだったウニを 好きになってしまいました。
帰宅して体重が増えていなかったのにはホッとしました。
投稿: ba_sobu | 2009年7月13日 (月) 09時23分
タカさん
そりゃぁ たまにはネ (^-^)にこっ vvv
投稿: ba_sobu | 2009年7月13日 (月) 09時24分
今日はじっくりと読ませていただきました。
利尻といえば、札幌から出ていた、寝台急行の利尻です。お金が無いから寝台じゃなくて12系の座席だったけど…。
学生の頃は山にはまったく興味が無かったので、今思うと、行っておけばよかったなと…。
何がすごいって、地球の丸さがわかるじゃないですか!
見たことも聞いたこともないお花数々…。
図鑑でしか見たことのないお花。
ええですなあ。
投稿: かず | 2009年7月13日 (月) 18時28分
かずさん わざわざ ありがとうございます
みなさん 山登りじゃなくても学生の頃 北海道には行かれているんですね。 その頃は花に興味なくても 大地の大きさに感動したのかもしれませんね
今回 もちろんお花は大注目でしたけど もっと気になったのは人々の生活というか 歴史です、 すごい辺境の島に見えるんですが 明治大正? 鰊漁で大賑わいで 内地から大勢の人が入ったようです。
静かなアイヌの人々の生活に割り込んでいったのですよねぇ
リ・シリももとはアイヌ語とか・・・ 地元の方になんとなく かつての先住民に面影を感じるとき ちょっと胸が痛みます。
投稿: ba_sobu | 2009年7月15日 (水) 22時13分
こんばんは~。
利尻に行かれたんですね。
わぁ~
いいなあ~
もう何年も前に旅行で利尻 礼文に行きました。
いい天気であの利尻富士のはっきりくっきり姿に一目ぼれでしたよ。
山に登らない友達との旅行だったので指をくわえて振り返り 振り返り眺めていました。
そんな山に登られたなんてうらやまし~
私にも登れる日が来るかなあ・・・
投稿: カルディナ | 2009年7月16日 (木) 21時51分
カルデイナさんは やっぱり 行かれていたんですね
利尻山を残しておいでとはなかなかニクイですね
取っておいた利尻山登山をメインにもう一度
行ってこられるものね
わたしも 見どころ行きたいところ たくさん残しておきました。 お金を貯めて 季節を変えて また訪ねたいです。
そして 今回 泊まったスコトン岬のお宿に 次回も泊まりたいです。 カルディナさんは この宿に泊まられましたか?
投稿: ba_sobu | 2009年7月18日 (土) 00時47分
いいお宿に泊まられたようですね。
私はツアー利用だったのですが悪天で飛行機が降りられず旭川空港に降りたんです。
5~6時間延々とバスに乗り稚内に移動しました。
それで稚内に泊まることになっちゃいました。
お料理はおいしかったけれどホテルとは名ばかりという感じでした。
急遽の変更だったのでしかたないですね。
行程も礼文での滞在時間が削られてガスも出たりしてあまり記憶が残っていません。
写真で見る佐渡の山に似ている印象がありますね。
佐渡もまだ行ったことないのですが・・・
お花の時期に晴れたら楽しく 伸びやかに歩かれるでしょうね。
行程が変わったお陰で素晴らしい利尻富士が眺められてラッキーでした。
ほんとに>驚くほど美しく神々しい姿<でした。
そんな山に登られたのですから返す返すもうらやましい~です。
私も利尻 礼文貯金をします!!(^_^)v
スコトン岬の民宿ですね。
頭に入れておきます(^_^)
投稿: カルディナ | 2009年7月18日 (土) 18時13分
去年の同時期に 利尻礼文に観光で行った友だちが
やはり雨だったといってました
旅行のパンフレットの抜けるような青空って
あまり期待できないのかなぁ
今度行くなら 初秋にしようと思っています
このころがお天気が安定しているのだそうです
しっかし 旭川空港だなんて
仕方ないのでしょうけど 大変でしたね。
投稿: ba_sobu | 2009年7月19日 (日) 01時25分
いやぁ~かずさんちの掲示板で
ゴマちゃんの写真見せてくれたでしょ?
「何がわかんないのかな~」って思って見てたんです。
よ~く見てみたら
「わっかない(稚内)」って書いてあるじゃん!(ノ_ _)ノ コケッ!
…毎度ながらの天然ボケですぅ(^^ゞ
利尻&礼文レポ拝見。
あたしは行った事無いのですが…
一昔前、親から聞いた話を思い出しながら、見ました。
(ちなみに当時のあたしは大の山嫌いでした)
コウリンタンポポって雑草の如く咲いてるって聞いたんですが…
なんせ10年以上前の話なんで…変わってるかな?
今もそうなのかしら?
ba_sobuさんが見たお化けエンレイソウは…(笑)
たぶん、オオバナノエンレイソウでしょうね。
八幡平でソロデビューした時の記念に、
お土産さんでこれの根っこと黒百合の球根を買った事があります。
やっぱ北は、いいなぁ♪(^^)
花もそうだけど、山の雰囲気も、本州とは全然違うもんね。
山に行かなくても観光でもイイから、行きたいなぁ。。
レポ見て少し涼めました(笑)ありがとう~(^^)
投稿: れれちゃん | 2009年7月26日 (日) 16時07分
わっかない
ホントは 「わっかんないかな~」という落ちで締めようと 思ってたんだけど 落ちなかったんでざんす (笑)
コウリンタンポポ 地元では雑草扱いです
帰化植物だからかなぁ?
でも かわいんすよね
利尻礼文 おそらく一回じゃ まわりきれないし
季節を変えると 別の顔が見えると思いました
もちろん 今回はほんの一部しか歩いていないんです
登山じゃなく 観光でも充分楽しめるけど お手軽だからと
いって観光ルートに乗らない方がいいと思いますよ
自転車は お勧めです
狭い島なので れれちゃんなら くまなく歩くことだって できるでしょう
http://1203.air-nifty.com/_aozora/2009/05/post-28d1.html
往復の交通費を捻出できたら またいきたいです
貯金しようっと
投稿: ba_sobu | 2009年7月27日 (月) 16時13分