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山納めは魅惑の西丹沢 【菰釣山~忍橋~富士見峠~織戸峠~大栂~菰釣山】

  2008年12月27日 (土) 晴れ

1年前の12月の「巨木麗し、菰釣山界隈」のやまたびをもうひとひねり、
ふたたびに西丹沢の菰釣山の南面を歩いてきました。

二つの表情 】  菰釣山からの富士山 
朝9:20                       夕方16:20
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① サガセ川西沢沿いの林道ゲート~西沢山(油沢の頭)~菰釣山

道志善ノ木から入る西沢沿いの林道はかなり荒れていました。すっかり怖じ気づき、途中の路肩に駐車、ゲートまで20分ほど歩くことになりました。 

ゲートに着くと目の前にはいい感じに盛り上がる尾根があります、これがブナ沢左岸尾根?  じゃ登ってみましょうよ 
かの尾根の、ヒノキの植林はすぐ終わり、雑木林になると緑の笹が広がります。

Img_4729s  ちょうど朝日がさし込んできて、エネルギッシュな陽ざしがいっぱいです。 薄いササヤブをスイスイと、漕いでゆくのって楽しいんです     1206点を超えたあたり前方に横たわる稜線をてっきり甲相稜線と思いこみ、(意外に楽だね)とほっとしてあがりきれば、ただの枝尾根、ガッカリ、世の中そんなに甘くないよね。(笑)

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正真正銘の甲相稜線にでると、ちゃんと富士山が待っててくれてました。眼下に広がるは馴染みの景色。


さぁ、東に向かいましょ。最初のピークはba_sobu名付けたる『だまし峰』、初めてブナの丸から訪れた際、このピークを菰釣山と信じちゃってニコニコしながらお弁当を食べてた思い出の峰なり 

ひと登りで菰釣山に。
真っ青な空に富士山や南アの白い峰々が雄大です。
東には海。朝日が反射して大きな金色のお盆のよう。

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② 菰釣山~大栂~東麓の分岐点

なんどか歩いてる菰釣南尾根、来るたびヤブのようすが変わってる気がします。
それにしても、朝、歩くってのはいいもんだなぁ。大きなブナに挨拶しながらぐんぐん下り、大ダルミもあっという間にすぎ、大栂への登りのヤブコギもチョイチョイで、小笹広がる大栂山頂に到着、
真白な富士山を一瞥し、右の植林を恨めしかりながら山頂南で左折します。

ブナ・ミズナラ・モミジ・モミ…
巨木連なる 癒しの広尾根をゆるゆる下ってゆくと、じき尾根分岐、
この心地よきポイントで休憩としましょ… ♪

Img_4786s ねっころがって空見れば

 

③ 大栂東北尾根~忍橋~富士見峠

右は富士見峠に通じる尾根、しかし今回わたしたちは左の尾根を下ります。

Pc270029s  ぱきぱき折れるようなスズタケを分けながら、ぶなやモミやミズナラの大木を愛でる余裕。

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そして「ところどころ落ち葉しきつめの広場などあり
「こりゃ…ラクチン♪」とおもったのに
 

背丈以上の青々とした笹に覆われはじめました。 でもね、こういうヤブが少ない昨今、艶やかな緑の葉や、弾力の

Img_4785s_3 ある強い茎や、足の踏み場もないほど蔓延っている根っこなどのおかげで、ここを進むのは大変だけど、笹の元気さに勇気づけられた感じで嬉し愉し(^-^) そんなヤブコギです。
尾根の末端は再び足元涼やかになり、沢音を耳にしながらゆるゆる下れます。
林道には先導されて右脇から無事着地、

なつかしきは富士見林道や忍橋。
林道を歩いて次のポイント富士見峠へ向かいます、
いやはやこれが遠かった。(3度目なのに)

富士見峠
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峠の切通しから富士山が見えます。     朽ちた道標

道標が指している地蔵平への2本の道も、静けさの中に今は眠っているかのよう…。

わたしたちは林道に上がり富士山を真正面にしてランチタイムを。
林道なのにあまりにも静かで人の気配はまったくありません。

④ 富士見峠~織戸峠

二つの峠を繋ぐことは、わたしにとって4年越しの課題でした。
南西に延びる林道の終点手前に織戸峠に通じる径路があるはずで、1㎞ほど辿れば織戸峠に出られるという目算。

林道からの景色
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この林道は使われていないよう、とても車が走れる道ではありません。終点手前に赤テープを見つけましたが、山側には道があるのに左の沢への道は??、

しかし歩くに支障なく、まぁイイカと沢に下りると、なんとなく対岸に道らしきもの。「これだ」と直感し、その道を辿り尾根を越えていきます。なんて、実はわたしの力じゃないんだわ~ 

Pc270049 尾根は植林ですがモミやぶなの巨木が威容あり、あたりを支配しています。

沢も越えます

尾根も越えます

沢筋の道は消えかかっています

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最後の尾根をのっこすみちは細くアブナカシイのでそのまま尾根を詰め、
稜線に上がったところから、織戸峠までピストン(わたしは休んでたのだが) 確認してきてもらいました 

富士見峠~織戸峠 繋ぐことできて嬉しかった   感謝感謝感謝

⑤ 織戸峠~大栂~菰釣山

Img_4837s  あとは稜線を歩くだけ。

 前回(05.11.23)は、めくるめく黄葉の渦にまきこまれましたが、きょうは、葉を落としたブナのどっしりした姿や、空に突き上げる樅の真っ直ぐな幹が印象的です。
 
こんなにいいところだったんだと再認識、

大栂ノ頭で朝来た道に戻りました。
お気にりの山頂でひと休みして、
さぁ。最後の登りだぞ、


夕陽色の富士山を眺めながら菰釣山南稜をエイエイエイ、笹掻き分けて エイエイエイ。
ブナの大木が見事です。夕陽は綺麗だ、雲もない。斜面に射す光はオレンジ。笹は強いけど道があるので上がって行くだけ。15年前にはだいぶ苦労したと書かれていた(『遊歩百山』の記事によると)よなぁ、、なんて思いつつ…

⑥ 菰釣山~避難小屋~ゲート

下山は 日没と競走しながらとっとと下ります。 ギリ?で駐車場所に到着できました。  

お疲れさま、楽しい一日 ありがとう  

〆は? どうし道の駅、真っ暗で店は閉まっていましたが
18:00 「フェリシャスの鐘」の自動演奏での「道志村村歌」を聞くことができました  

               

【コース】 サガセ西沢林道脇P 07:20-菰釣山09:20(20)-大栂10:10-(東北尾根)忍橋 11:45-富士見峠-12:20/13:15-(織戸峠)14:10-大栂15:30-菰釣山16:15(10)-林道17:00-P17:20   【地図】昭文社:丹沢 2.5万:御正体山、中川

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大栂山頂はお気に入り   (15:30)

では また~  (^_^)/~   

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相模湖 嵐山

2008年12月15日 (月) 晴れ

凍える氷雨の翌朝は、カーンとした青い空が広がっていました。丹沢は真っ白。

Photo

あそこを歩けたらな、でも急には無理なので、せめて間近から眺められたらと、登山口から30分で山頂に立てる 相模湖畔の嵐山に行ってみました。しかし…

相模ダムのお向かいの登山口から、陰気なジグザグ道を登ります。檜植林と照葉樹、北向きの日影、固い土は濡れて滑ります。
20分ほどで落葉雑木林の日なたに出ることができました。

すぐ上が山頂です。Img_4658 人声がすると思ったら パワーシャベルが動きアンテナ建設中。
すでに2基のアンテナがどかっと聳えているので、山名表示とベンチは片隅に追いやられた感じです。

相模湖一望なのですが、期待の富士山は梢に邪魔され、滝子~大菩薩のラインには雲がかかり、奥多摩は陣馬に隠れて見えません。

がっかり 
アテがはずれたのでそそくさと撤収、来た道を戻るのも嫌だったので、鼠坂方面に下ることにしました。

Img_4671s_2  しばらくはモノレール軌道が沿っていますが、陽ざしに溢れた落ち葉道は楽しいもの、
やっとランラン気分になってきました。

コナラなどの落葉帯とシラカシ・アラカシなど照葉樹が混在する(ヒノキもある)、いかにも南関東の里山。

最近手に入れた「樹皮ハンドブック」を見ながら、じつはきょうこそ 『シラカシ』と『アラカシ』の違いを見極めようと意気込んでいたのですが、よくわからない 。

Img_4697s 意外なことに沢を越えたり、中腹には竹藪と無人の民家もあったりと、変化に富んでいました。
やがて道の両脇が金網で仕切られるようになります。
スカーッと晴れ渡った空と大いなる陽ざし、のんびりぶらぶら、お散歩気分で歩いていると、左に大きな駐車場がありました。なぁんだ、もう『プレジャーフォレスト(旧ピクニックランド)』についてしまいました。 青い空に観覧車が浮かんでいます。

鼠坂に到着です。この雰囲気、好きな景色です

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ここから国道歩きになります。
おおむね下りだしきっちり歩道も確保されているので、トラックの往来も気になりません。

湖面には陽ざしが反射し、のほほんした藤野の小山たちが可愛らしい。遠く南大菩薩の連なりや、雪をかぶってスマートな扇山を眺めながら、けっこういい気分です。

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相模湖の湖畔に降りてみると、プラーべート感のある入り江で、震えるほどの静けさ。
カガミのような湖面がキラキラと輝いていました。

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嵐山はイマイチだったけれど、思いつきでも歩いて楽しかった。
めんどくさがらず、歩くことはいいことなんだと思いました。

歩くのが好きなのだから、ね 

相模湖P10:30-嵐山11:05-鼠坂12:15-P13:00 【地図】相模湖観光ガイド

では また~  (^_^)/~   

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知るほど深まる滝子の魅力

2008年12月6日 (土) 晴れ

滝子沢の左俣と右俣に挟まれた尾根を登るのに、寂惝苑から入る
送電塔を過ぎ林道に出て、寂惝尾根をのっこし、なおも東に歩いていく。
凛とした空気、抜けるような青い空にススキの白い穂がそよいでいる。

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前方に大きく横たわる尾根は滝子山のほんの一部、
ぐるり全部が滝子山、山懐の深さが心に浸みてくる。

滝子沢の権現橋を渡り尾根に取り付いた。
落ち葉が滑る雑木林をグイグイあがっていると汗が噴き出してくる

でも尾根に乗ってしまえば、冷気がきもちよい冬晴れでの朝だ。
梢越しのスッキリした富士山が、元気を分けてくれる。

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こんな岩場もあるかと思えば、落ち葉の降り積もる雑木の尾根にもなる。

立派なミズナラ。 尾根の主かも?

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右から稜線が近づいてくる。もうすぐ檜平だろう。
すると尾根が広がり 落ち葉の積もった広い斜面になった。
右にトラバースしながら深い落ち葉の中を、登って行く。

太陽は朗らかに降りそそぎ、落ち葉が香るよう。
なんて気持ちいいんだろう。

落ち葉の中に、すっぽり腰を下ろしてみると・・・なかなか居心地よい。、
このまましばらく休んでいられたらナ~~

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でも、みんなは、どんどん上がっていってしまうので、わたしもエイコラエイコラ
上がるのだ。

ああ、この森が芽吹いたら いったいどんなふうだろう ?
思っただけで身震いてしまう  

時間をかけて檜平に到着すると、おおきな富士山が出迎えてくれた。

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さぁ、ここでお昼にしよう 
手打ちうどん、もつ鍋、ランチタイムは ほかほか暖かい。
1時間以上ものんびりしてりたとは…ね 

男坂を経て滝子山についたら14時を過ぎていた。

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富士山には雲が湧き、道志丹沢奥多摩にも雲がかかていた 
でも奥秩父はスッキリ晴れ 金峰五丈石も確認 (^^)  

午後の陽ざしは翳りはじめた、うすら寒くもなってきた、
「さあ降りようや」


一番楽そうな?ずみ沢コースで降りることにしよう。

ずみ沢を高巻く道が造林小屋を過ぎた先に、分岐がある。
今まで右の高巻き道を歩いてしまっていたので、きょうこそはと、
沢沿いの左の道に入ってもらう

そこで初めて目にしたのは次々と現れる滝だ。
沢には陽ざしがたっぷりと注ぎ、岩も落ち葉も、もちろん水も美しい。

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わたしは最初に現れたナメ滝がお気に入り 
ここでなら 一日過ごせるだろうな ♪

小滝、連続の滝、いろんな滝が次々現れ モチヶ滝を最後に高巻き道と合わさる。
素晴らしい沢沿いの経路だが、細く危なかしいところもあるので、
今はあまり使われてないのだろうと思う。

下るにつれて夕闇が迫ってきた。大鹿林道に出たのは16時過ぎ。
お茶を飲みつつ、ふと道証地蔵に刻まれた字を読んでいたら、道しるべということに気がついた。昔からの道が大鹿峠を越えて田野に通じていたのだ。

あとは車道を笹子駅まで歩くだけ。
日が落ち黒い山並みが残照に映えている。

家々には明かりが灯り始め、冷気が身にしみてきた。
ちょっと足が痛いけど、きょう一日を反芻しながら歩けるなんて

幸せだ。

【コース】 笹子駅 07:10- 寂惝苑8:00-檜平 11:35/13:10- 滝子山 14:05/14:15- 道証地蔵 16:20- 笹子駅 17:10
【地図】昭文社:大菩薩 2.5万:笹子

Img_4626s 防火帯

まだまだ知らない滝子山、
知れば知っただけ より深くなり、魅力的になっている。

ほんとうに       ね。

シェフタカサンの美味しいランチ  

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キノコ入りもつ鍋          煮込みうどん味噌風味 

では また~  (^_^)/~   

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高川山*東尾根とシラノ沢コース

2008年12月3日 (水) 晴れ

小春日よりの一日、麓あたりはまだ紅葉の、高川山にのぼりました。
山頂では 噂のビッキーに逢えましたよん ♪♪

Img_4509s メタボだぞ ビッキー

【コース】 大月08:35-むすび山 9:05(10)-峯山(584m)10:00(15)-天神峠11:10-高川山11:55/12:45-(シラノ沢コース)-大棚(林道)13:40-古宿14:00-禾生14:35
【地図】昭文社:高尾陣馬 2.5万:大月 都留

雲ひとつない青い空。
大月駅から甲州街道を西に進み、桂川を渡り市民病院の角を左折。
道標どおり細道を右折し、芝生の綺麗なお宅の庭先をかすめるように通りぬけながら、ロープで繋がれた犬をからかっていきます、「前とは違うワンちゃんだ」

トリツキからむすび山までのひと登りで、大汗。12月というのに信じられない温かさ。
いったいどうなっているんでしょ?

「あっ見て、富士山!」
高川山東尾根は富士山を見ながら歩くところがいいのです。

Img_4474s_2 

積もる落ち葉を蹴散らしながら、アップダウンの殆どない道をのんびり歩きます。
桂川がうねり、富士急と高速道路が川に沿って延びています、
家や畑、そして背後に控えるのは、どれも通ったことのある親しい山たち。

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おもちゃのような可愛らしい電車が走っていきます  

名残りの紅葉はまだまだ見応えあり、里山らしさがあふれた道のり

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伐採地を通り、峯山(584m)を超え、祠のある天神峠を越え、田野倉への分岐を過ぎ、かれこれ2時間以上もてくてくてくてく…

ようよう高川山への登りにかかります。
岩岩の急登をどっこらどっこら、しかしこれは 高川山の前の山

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禾生への道を分け、ホレ、
あれが高川山、
山頂に人影が見えてます。

やっぱり混んでた。人気の山。

お昼どきの人混みをスイスイ
泳いでるワンちゃんは、
噂のビッキー!(トップ写真)


おとなしく分をわきまえたふるまいで、登山者たちの人気者。(彼女のおねだりのしかた、媚びを売るでもなく、でも、まめまめしく、すごいワザだ)

展望は折り紙付きの素晴らしさ
2006.01の高川山*ぐるりんこ に 山頂からの写真のせてあります
よろしかったら、ごらんください

わたしたちは一段下がった、南側の岩でランチをいただきました。

さてどのルートで降りましょう、なんて話していたら
『シラノ沢コース→』 という 新しい道標あり

うふっ、この岩を降りるんだわ、面白そう、行ってみましょ (^^) 

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岩はここだけ。
あとは尾根づたいに、なかなかいい道。少し急ですが良く踏まれています

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誰もいないし 東尾根のしつこい道標からも解放されほっ~
(東尾根の道案内は申し訳ないですが、多すぎと思います、)

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この実なんの実?

やがて尾根をおり谷をトラバースしまう(都留市の道標あり)
ここがなかなかの雰囲気、


Img_4529s_2 今までの尾根道とは違う 
 のびやかな渓畔林に 道が延びています

 中でも目を惹く、 
 この木なんの木?

 それにスミレの返り花

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やがて大棚で林道と合流 (都留市の道標あり)
古宿の集落に
至りました。

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古宿集落と 高川山 
南側から眺める高川山は、小さな凸をたくさん抱え、なんとも長閑なたたずまい。

シラノ沢コースは 道がしっかりしており、要所には道標あります
昭文社エアリアの赤破線は見づらかったのですが、禾生駅にあった『都留市トレッキングマップ』には、わかりやすくコースタイムまで出ていました。
なかなか楽しい道です 欠点は短すぎること。


Img_4535s  古宿の集落はおちついたいい雰囲気。

 美人顔のおばあさんとお話をしました

 

 では また~  (^_^)/~   

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