雲取山へ 深き森ほのかに色づく
2008年10月12日 (日) 晴れのち曇り
この尾根をこんな晴天の日に、歩くことができるなんて。
大ダワ林道から長沢谷におりた、二軒小屋跡の広場↑は、やっぱり最高の朗らかさで出迎えてくれた。 3年前の小雲出合い尾根のときと同じ朝の光。 力強さと希望に溢れた朝の光だ。
大雲取谷を渉り権衛尾根にとりつく。のっけは岩がちの急登だが、岩に付いた苔が青く艶やか。
そんな景色に目を奪われつつ登っているので、急登なんて気にならない。
細いががっしりした尾根、栂の大木が逞しい。アレ?この木肌は? ことし覚えたオノオレカンバ・・さすが、ここは奥多摩の奧の奧なのだ。
勾配もゆるみ、木々を眺めながらのんびり歩けるなんて嬉しい。
枝先がほんのり色づきはじめているの?
いえ森全体が黄色がかって、明るくなっていいるのかも。
大ブナが目立ってきた。黄葉しかかった葉っぱが繊細で美しく青空に映えているけれど、わたしのカメラでは撮りきれず口惜しい。
しだいに足元ずるずるな、かなり必死にならなければ上がれないような急登になった。みなは、真っ直ぐにエイエイエイヤと直登。わたしは少しでも楽そうなルートのうつもりだったのに、尾根の腹をへずっているだけだった。離れてしまったのでフンドシを締め直しエイエイエイヤと踏ん張って、みんなが休憩している木の根元に辿り着いた、やっと。
ふぅぅ…。
リョウブっていち早く紅葉する。ツタも緑の中に真っ赤が目立つ。
枯れたスズタケが現れだした。数年前は、この辺りスズタケで覆われていたそうだが、今は歩くのにぜんぜん支障がない。いえ、葉を付けている篶がほとんどないのだ。もともとあったものが消えてしまうって、何を意味するのだろう?
標高1500mくらいっていわれたかな? 色づいた木々が目立ちはじめた。
黒木のすき間から 艶やかな彩りが覗く。
そんな一角でランチ。 コシアブラ、リョウブ・・・
がさごそ、秋の音が聞こえるようなひとときだった (*^_^*)
ふたたび歩き始めると、雲取山の秩父側という雰囲気の黒木の森になる。
世代交代か?、倒木が夥しい。
倒れた木にさえ存在感がある、魅力的な森の雰囲気、
倒木を乗り越えたり回り込んだりと煩わしいけれど、ワクワクしてしまうのだ。
じき、富田新道(野陣尾根)に合流すると、
カラ松林になった。
色づき始めたカラ松はドッシリと太く、三角錐はボリューム満点。
カラマツの下は緑のササに覆われ、一本道がまっすぐのびてゆく。
そうして石尾根に出た。
そう、先ほどから日は陰りガスが湧きはじめていた。期待の展望は残念。
でも開放感は十分感じられるし、白いガスが息をするかのように濃くなったり薄れたりするのも 面白く思えるのだ。
石尾根のカラマツは黄葉真っ盛り、ところどころに深紅のドウダンツツジが点々と。
マルバダケブキの白い穂は「畑のようだね」とみなで笑う。
人気の雲取山頂は1時半ということもあり、わりと空いていた。
三角点のそばのドウダンツツジは真っ赤な大株。よくぞここまで赤くなるものだ。
コーヒータイムを避難小屋の脇で ほんわか楽しみ、下山は2時。
予定の唐松谷林道では 遅足(わたし)がいるので無理と、野陣尾根をくだることになった。 どちらも初めてだもん、忙しくない方がいいもん、 ・・ ほっ
下り始めたら突然ガスが消え、石尾根らしい闊達な風景が目の前に。
夢中でシャッターを切る。
おお、こんなに紅葉が進んでいたんだ!
小雲取から、先ほどのカラマツの林を下り、権衛尾根との合流点を過ぎると意外に荒れた景色がでてきて不思議な感じがした、
やがてミズナラやブナの大きな木に目を奪われるようになる。
尾根の下部の、ジグザグと折れながら続く道は、落ち葉の堆積と巨木の連なる厳かな雰囲気、でも、暗くて写真はあきらめた。
最後オソロシク急勾配の下降路は道も判然とせず、先導者がいなければビビルところ。
じき唐松谷林道と合流し、吊り橋を渡る。
橋を渡ると 唐松谷とマミ谷に挟まれた細い岩尾根が張り出しており、
あれが桧尾根と教わる。
ゴーゴーと激しい沢音が四六時中響く、こんな寂しい谷あいに桧尾小屋があったのか、、なんて、考えていたら、なまっちょろい自分がちっちゃく思えてしまった。
最後のひと踏ん張り、登り切れば車を置いた林道に出る。朝方は数台いた車はみな引き上げてしまい、最後の一台になっていた。
【コース】唐松谷林道入口P08:15-大ダワ林道08:30-大雲取谷09:00-野陣尾根合流*12:45(10)-雲取山13:35/14:00-*14:35-唐松谷16:05(10)-P16:20
【地図】昭文社:奥多摩 2.5万:雲取山
では また~ (^_^)/~
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野陣尾根をグングン下り、後半のステキな森にはいったとき、
「ぁぁ、太陽が出ていればなぁ・・・、」と悔しがる声が 後ろから聞こえたっけ。
いえいえ、これでも充分素晴らしい。あの木も、この木もステキじゃん。
と 思ったけれど、あっそうか、
陽ざしがあればまるっきり違う景色が見えたんだね、
木の葉の一枚一枚が輝いて、空に透けていたんだろうね。
行きそこねた唐松谷林道はピカイチ素晴らしいということだし、やっぱ行ってみたいな。 行けたらナァ…
な~~んて 思うこのころです。
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