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水雲山から三ッ峠

  2008年8月20日 (水) 晴れ

三年前のある雪の日、水雲山から三ッ峠の御巣鷹山を目指したことがあった。さらさらな雪と格闘し凍てつく寒さに震えながらの山頂到達は、なんとも印象深いものだった。

そしてきょう、レンゲショウマの季節に再訪する。 前回出来なかった御巣鷹山までを繋き、途中の丁目石を見ることが、楽しみだ~

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水雲山の祠と名簿入れ

都留市駅からタクシーで北口登山口までいってもらう。水雲山の里宮の祠に詣で、大幡川沿いの林道を歩く。とりつきに架かっていたはずの大きな木橋(トラックも渡れる)が、丸太2本に変わっていた(念のため隣尾根の末端まで足を伸ばし確認)
丸太橋を渡った木陰で、ひと息ついた。照りつける強い日差しのもと、30分の林道歩きでへろへろになってしまったからだ。

             ↓  取り付きに向かう林道から Img_2626s       

すぐ上の送電塔までは巡視路を伝うので問題ないが、尾根に乗る手前の薄い踏み跡が痛い系のヤブに埋もれ、サテ困ったぞ、出会い頭のちょっとした試練。

Img_2629s_2 ヤブ掻き分けて伐採地にたどり着けば、ヤブの代わりにギラギラ太陽の急登、冬には展望と開放感で気持ちよい場所が、なんとも灼熱地獄になっていた。
かっかっと燃える太陽に焙られながら、目の先の高みのあの樹林を目指してく。木陰で涼める…、ただそれだけを思いながら、カンカン照りをしのぎ、ようよう木陰に到着す。、
ふう~。   (^^)

お次は小さなキレット、ささやかなヤセ尾根。3年前の雪の日にはオソロシク思えたところも、緑の季節はあっさり通過、気持ちよい樹林の道になった。

ふっと傍らに気配を感ず。さりげなく立つ丁目石と目が合った、「七丁目」
ということは、いくつか見逃したということ? さっきの日当たり良すぎな尾根のどこかにも転がっていたのかなぁ。いかにもかつての参拝路らしく、急だけど歩きよい。ぐいぐい標高を上げていけるのだから、楽なものだ。

Img_2634s 1時間くらいでちょっとした平坦地にでた。シートを広げておやつタイム。
ここで初めてのお花にくぎ付け。 もしやツチアケビ?バナナのような実には何度かお目にかかっているが、お花は初めて。実の異様さに反して可愛らしい。おもわぬ出合い大いに嬉し。 花を見れば「ラン科」というのも納得できる。

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ヤブのない樹林帯の登り道、急坂~台地を繰り返す。倒木や大岩も現れて変化が出てくるが、予想した岩越えというほどのことはなし、雪の時とはダンチガイだ。
転がっていた「十九丁目石」を見ると、じき「モアイのような」大岩がそそり立ち、基部に「二十丁目石」。

手間がかかると思っていたこの尾根も、いよいよ最終ステージを迎える。

道は山頂を巻いてしまいそうなので、右の大岩に乗るように稜線に上がると、そこが水雲山だ。

懐かしの祠とご対面。(トップの写真)
おや、ご神体がビニールでくるまれているよ、どうしたの? 

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ピークの岩に立てば北側が切れ落ち、本社ヶ丸との間を分かつ深い谷。うめつくすは圧倒的な緑のうねりだ。 しばし、見入ってしまう。  
西南方向にはおっとり御巣鷹山が、アンテナかんざし頭に載せて、わたしたちを待っていた。

さぁ、ここからは花の道。

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御巣鷹山の東北側に広がるブナの樹林に守られて、レンゲショウマ、レイジンソウ、ジャコウソウ、青い光のソバナ、気高きシュロソウ、・・・、今咲いている花たちに続くのは、まだ蕾のサラシナショウマやトリカブトたちだ。 北口登山道と合わせ樹林の花たちと共に歩く至福の数十分間、やがて眩しい陽ざしの草原に出る。

右には御巣鷹山。そこから延びてくるダイナミックな緑の撓みには、タムラソウの大きなボンボン、シシウドのレースの日傘、ハッと目立つオレンジ色はコウリンカやコオニユリだ、

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優しいピンクのチダケサシ、小鈴を輪に並べたハクサンシャジン、足元にはヤマハハコやキンミズヒキ、ウツボグサの青は目立つ。

トモエシオガマも咲き始めた。もう秋だわ~、さすがにギボウシは花からぷっくりした果実に代わり、クガイソウノ青い花穂も逞しき種の穂に成っていた。
メタカラコウやマルバダケブキは力強く夏の終わりを謳歌する♪

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四季楽園に向かう道すがら、アンテナ、反射板、建物などフェンスに囲まれた構築物がぐんと増えた。小屋を見下ろせる斜面に生えて、毎年いち早く花を咲かせるあのフジアザミもフェンスに囲われて、もう近づけないよ。

四季楽園はたいそうな賑わい。小屋の愛犬ピレネー・ジャック(11歳)をかまっている間に、大パーティが去ったので、静かなお昼どきを過ごすことが出来た。
さて下山路はどうしましょ、北口登山道の案は消滅したので、平凡に達磨石? そのとき 「ロープウエイにのってみたい」と誰かが言い出し、みなもその気になった。ということで久しぶりに府戸尾根を歩くことになった。

木無山もお花畑の草原だ。ロープに阻まれ中には入れないが、シモツケソウやコウリンカ、コオニユリなど咲き乱れているのが分かる。シシウドがピョンピョン頭を突き出しレースのパラソルを広げている。

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登山道沿いには、秋の美人花マツムシソウが空色の花咲かせ、わたしたちを喜ばせてくれた (^^)  オミナエシ や クサレダマなど 華やかな秋の花がステキな道だ。 

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草原から樹林になると、キツリフネ、そして再びレンゲショウマの登場、フシグロセンノウ、キノコたちも種種さまざま現れた。食べ頃の真っ赤なタマゴタケ、そして兄弟のような白いタマゴは? おそろしや、ドクツルタケという猛毒なやつだそうだ、1~2個食せば確実にあの世に行かせてくれるらしい。

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陽の当たる一角にクサボタン、送電塔台地は、ノカンゾウとコオニユリの華やかな舞台になっていた。タケニグサ、イタドリ、ワレモコウ、ヤマハッカ、フジバカマ。金の穂きらきらのススキは美しい・・、秋の花も、いいわぁ。

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府戸尾根は、爽やかな、地面もフカフカな尾根道だけど、えぐれて歩きにくいところや、石ゴロゴロで気を遣うところもある、それにやっぱり長いのねぇ・・分かっていてもかったるく、最後の30分がずいぶん長く感じた。

カチカチ山ロープウエイに乗れば一気に河口湖畔に降りられる。
だめもとと富士急ハイウエイバスにTELしてみたら、なんと次の新宿行きバス4人分ゲット(キャンセルあったもよう)、ラッキーヤッタネ、ということで
観光モードでソフトクリ-ムなどなめながら、のんびり河口湖駅まで歩いた。

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駅舎の向こうに 富士の山  河口湖駅

【コース】都留市→(\3590)北口登山口9:00-とりつき09:30-1320m10:30(15)-水雲山11:40(25)-三ッ峠山稜線12:50-四季楽園13:25(40)-送電塔 15:25(15)-(\400)ロープウエイ17:00-河口湖17:40
【地図】昭文社:富士山  2.5万地形図:河口湖東部

では また~  (^_^)/~   あしあと(山域別一覧)へ 

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コメント

あぐあぐ今週末の天気が恨めしや。。。レンゲショウマが盛りを過ぎているからこちらは来年にですわ。雪の時期にコイワザクラとイワカガミの咲く初夏も印象深かったけど夏はまた違った姿を見せてくれて、ここも季節を変えて訪れたいところですね。

そうそうBBSの方で言い忘れましたが、?の黄色いお花はクサレダマ(草連玉)。いまさっきググってみたらこの花サクラソウ科なんですね。知らなかった。

投稿: komado | 2008年8月24日 (日) 18時59分

ほんとに 雨は止みませんね。
いっきに秋になってしまうのでしょうか。夏が終わるとき、毎年 やりのこしたなにかがある感じで、寂しくなります


で、お花の名前 ありがとうございました
「くされだま」とは酷い名前とおもいましたら 腐れ玉 じゃないのですね (^^)  
さっそく図鑑を、みたら 写真はもっと小さな花のように写ってました。だから気がつかなかったのですね。
サクラソウ科というのは意外でした オカトラノオなどと同じなら、なるほど、です。
クサレダマは 花の穂というより 花房が立っているような華やかな印象でした。

投稿: ba_sobu | 2008年8月25日 (月) 10時47分

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