優雅なる山~鹿島槍
爺ヶ岳~冷池乗越~布引山~
そして鹿島槍へと連なる尾根は、
ハイ松の緑に覆われ、ところどこ
ろにお花畑が広がっています。
花に囲まれ、遠くの山々を眺め歩く
これぞ「稜線漫歩~♪」 の醍醐味
朝のガスがあがってゆく
爺ヶ岳あたり →
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2008年7月27日 (日) 晴のち雨
早朝、小屋の周りは濃いガスに覆われていた。 目の前の高みを登って行くにつれ、ガスが上がり山々に日が射す幻想的な景色が浮かび上がる(トップの写真)。
ハイ松に混じってシャクナゲも多く、うすピンクの花を咲かせている。ふっと松の香りが強い場所を過ぎる。シラビソと思っているけど、実際はどうなんだろう。雪渓が消えたばかりの茶色の湿地にはチングルマやイワカガミが華やかだ。
ハクサンシャクナゲ 爺ヶ岳に繋がるハイマツの道
・・
爺ヶ岳は南峰、中央峰、北峰があり、どの山頂も岩だらけ。
三角点の中央峰から北峰を歩くころは、すっかり晴れ上がり 青空と緑の稜線のスカイラインが天空に延び、高山の空気を満喫できる。
「わ~~~~お」
中央峰から北峰への
砂礫地にはコマクサも咲いていた。
ロープが張ってあるし、どうせ下山の八方尾根にはたくさん咲いてるんだろうと、あまり熱心には撮らなかったのだ
コマクサは薄い緑の塊に、小さなピンクの花を点々と載せている、他の花と混生していないので、なんとなく孤高な雰囲気。
まるで、高嶺の「王女様」や~~。
お花の数も種類も増えてきた。
ミヤマクワガタ、ミヤマコゴメグサ、チシマギキョウ、木陰にはエゾシオガマ
満開にであえたタカネバラ。 華麗な濃いピンクが咲く道は、ただただ豪華、過ぎてしまうのが惜しい。
そんな尾根の鞍部が冷乗越。
少し行った所に 冷池山荘があった、
ここで朝ご飯とし、水も購入した (1000cc 150円)
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「荷物、お願いします」と荷物を小屋に預け、ナップザック姿で出かける人が多い。
というか、ほとんどの人が軽装なのだ。
ミヤマキンバイ いちやくそう(もっちりしてる)
すれ違う人たちが、大仰なわたしの背中を見て 「縦走ですか?」 そして 「大変だねぇ」 「ガンバッテください」 とか声をかけてゆくのだ、どうしてみなそんなことを言うんだろう?
キヌガサソウ コレは?
尾根の右(東)側は 荒々しく切れ落ち、赤い地肌が見えていたりするが
左(西)側は下の写真のような 優しい斜面だ。
イワオウギが咲きそろったお花畑は、見応え充分
イワオウギの間に間に、ミヤマダイコンソウ、ミヤマコウリゾナ、ヨツバシオガマ、まだ小さな蕾 (^^)のトリカブト、
イタドリの類、シシウドの類、ひと株だけ咲いてたタテヤマリンドウ (*^_^*) イブキジャコウソウ、イワベンケイ、ハクサンフウロ、
ハクサンチドリは大きな花穂を堂々と立て(左)、ウサギ菊はニコニコ顔をこちらに向けていた。
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静かな布引山に到着するころは霧が湧き、次の鹿島槍までの道は、すでに片側が霧で埋まっている。
チシマギキョウ と ホソバツメクサ?の ほっこりした塊 (^o^)
そうして
鹿島槍に着いたときは、四方は霧に包まれていた。
「ま、いいじゃない。」 と、のんびりランチをいただいていたら、なんだか山頂が騒々しい。 みれば霧がうすらいで、あれやこれやと、山の姿。
「おっ、五竜が見えたぞ!」の声に振り向けば、北隣りに現れたる山の すごくかっこいいこと!!
「なるほど、岩がゴツゴツ連なっているようすは、まさに竜の背中だ」
「すごいねぇ、それで竜と名付けたのかな」
まさか自分が、あのゴツゴツを歩くことになるとは思ってなかったから、のんきに感心ばかり。
その竜も、一瞬ののち、雲にかき消えてしまった。
三角点の鹿島槍南峰の右に北峰が見える。こんな山、登れるの?と 思えるような ”にゅうう”とした形だ。
すっかり 霧に覆われてしまった。鹿島槍南峰から北峰への道は、今までとは対照的な、岩岩な下りだ。
そこでは今まで、あまり見えなかった花たちが、わんさか出迎えてくれている。岩を一段下りるごとに、写真撮影に夢中になってしまう。
なかでも深い青のチシマギキョウは、とぎれることなく、咲き続けていた。
あちこちの岩陰にシコタンソウ(左)、可愛らしい模様の花を咲かせている。
タカネシオガマは、こんな岩場に多い花。シオガマ系の中で一番華やかだね
だけどね、鹿島槍の北側にこんな岩場が現れるとはね。まったく驚いたんだよ。
分岐に荷を置きひとっ走り 鹿島槍の北峰まで行ってみた。エアリアの解説書には「南峰と同じく展望がよい」と書かれていたが、白い霧以外、なにも見えなかった。
竜の背中を・・
この頃から雨が降り出す。早めの雨具着用は鉄則と、さっさと雨具を着る
え、!? もしや雷の音? 最初はヘリと思っていたが、紛れもない雷だ!
ピカッとするに及び、このまま歩いていてよかろういはずはないと 思いながらも、
いつ待避すればよいか見極めがつけられず、歩をすすめていく。すると…、
斜面にへばりつくように10人ほどのパーティが身をすくめていた。雷からの避難だ・・
遅まきながら「いまがそういう雷なのか」と気付き、真似をして身をかがめた。
15分くらいたったころ、パーティのうち大荷物の大男&年配のリーダー?が「遠のきましたね」といって、全員に号令、粛々と出発(鹿島槍方向)する。こちらも真似をして腰を上げた。
ゴロゴロはまだ聞こえている。「雷は危険、待避すべし」とは 知識ではしっていても いざ実際となると、始めるときと終わるときのタイミングって分からない。だから素人は困ると言われるのだろう。 待避の体勢はよく分かった、良い勉強になった。
この先、雨は収まったが、風はますます強くなってきた。濃い霧で周りは見えないが、
ただひたすら 岩を越え、鎖や梯子を越えて歩く。
でも、一瞬、霧が退くことがある。
覆い被さるような岩が、突然ニュッと空に突き上げていたり、足の下が断崖絶壁だったり。(こんな景色撮りたかったよ)
だから岩をへずる時も、決してロープを離さぬように心懸けながら、進んでいった。
岩が風の障壁となる場所で、ようよう息をつけるのだ。
ふぅ~~
あとで思えば、↑深い谷
このあたりが、八峰キレット?
そんな場所に棲んでいる
ミヤマオダマキの
色、姿が 印象的
でも せっかく 会えたのに
通り過ぎるだけ。
ひとつ大岩を乗り越えると、前方の大岩との間に、赤や黄色の物体がかいま見える。
「なに 水のタンク?」 そうか、
あそこがキレット小屋だ。
まぁ、良くぞ建てたと思うような、嶮しい谷あいに立つ小屋である。
でも まだ終わりじゃない。最後の岩岩も 気を抜けないキビシさ、どうやって降りるのか?と思うような崖を、一歩一歩(補助ある)ていねいに降りていった。
キレット小屋に入り、ずぶぬれのカッパを乾燥室に掛け、部屋に収まると、今までに増して強烈な雨と風が襲ってきた。小屋の人が 窓の施錠を一つ一つ確認している。
外は真っ白でなにも見えない。まだ3時半というのに、部屋の中はうす暗い。
ところが6時近くになったころ 「能登半島が見えるぞ~」 という声に外に出てみると
晴れている。
劔も全容をクッキリ現している、空一面に 綺麗な絹雲が出ている。
劔の上に虹のような光が見えるでしょ? 太陽の反対側にも同じような虹?があった。
太陽の暈が光っている感じ、 彩雲とも違うようだ。
ハテサテ コレは瑞兆か?
ともかくも こんなクリアな夕焼けの記憶を胸に、眠りにつくことができた。
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朝飯 フランスパンに生ハムソーセージレタスのサンドイッチ
昼飯 ラーメン魚肉ソーセージ
夕飯 ご飯みそ汁種々のおかず
小屋でモンベルTシャツを2枚も買ってしまう
【コース】種池小屋05:20-爺ヶ岳△中峰06:50(15)-北峰-冷池乗越07:20-冷池小屋08:15/08:50-布引山10:20(10)-鹿島槍△南峰11:35(30)-北峰13:15-分岐13:20-雷(15)-キレット小屋15:40(泊)
【地図】昭文社:鹿島槍・五竜岳
鹿島槍そして五竜岳3に続きます
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