2008年3月15日(土) 快晴
昨夜の大雨が急速にあがって、幕開けのように青空が広がり始めた、甲府南ICで高速を降り、市川大門方面に向かう車窓には朝日に輝く白い山々が姿を現した。
こんな八ヶ岳↑や南アルプスのお出迎え、きょうの山行きが、ますます楽しみだ。
去年の地蔵峠~八坂峠の帰り道、心惹かれた芦川北稜の峠越えの道を少し歩いてみるつもり。 2.5万地形図の破線路を辿ります。
【コース】畑熊入り口BS 07:15-集落跡07:45(30)-崩落8:45-桜峠 09:10(15)-620m峰 10:10(10)-林道大鳥居線10:35-三ツ俣尾山11:10(20)-大峠12:25-901m峰12:55(25)--中山BS 14:20 【地図】2.5万図:市川大門
まず 畑熊入り口の東から桜峠
駐車場所から東南に10分ほど歩き、山に入って20分ほど登ると石垣の積まれた、集落跡に着いた。
梅やダンコウバイが今を盛りと咲いている。南が大きく開けた地形で日当たり抜群。 いいところって、こういう場所のことだろう。
お茶を飲みながら、青空に描かれた大畠山から蛾ヶ岳のラインを眺めていた、ダンコウバイの香りは爽やか、なにやら小鳥たちが歌っている。時のたつのも忘れてしまいそうだ。
集落跡から西に向かう。 山腹をへずって、しっかりとした峠道が延びていく。桜峠はおそらく遙かかなたの稜線の凹み、ずいぶん遠いけれどきょうは急ぐ旅でなし、芽吹きを迎える雑木林を感じながら、歩けることが嬉しい。
ダンコウバイの花が多い、目の前や谷底には、満開の黄色の花が目立つようで目立たなく塊になっている。
ところがどっこい、道が崩落。 土砂崩れが放置されたままなのだ。こんな場面がこの先にも、いつ、どこで現れるか分からない、 ぐっと気を引き締める。 小さいが崩落はもう一箇所あった。
桜峠、かつては車道が上がってきていたのか、ミラーの残骸あり。
いまは道の痕跡さえなく、まさに荒れ放題、いったい全体、どうしてこんな風景ができたのか。 尾根は開けているが、カヤが倒れ覆いかぶさり、ノイバラが混ざっているので突っ切ろうとすると足も腕も、顔も痛い。
あとで分かったことだが、「桜峠は以前畑であった」と 小林経雄著『甲斐の山山』に書かれていた、なっとくだ。
峠の対岸の小高い丘(570m)に登ってみた。↓
桜の大木
そこだけは藪が消え、桜の大木が何本もあり、祠や浅間講の石碑が建っていた。
鳳凰三山やや北岳甲斐駒が一望である。 かつては畑作業のおり、この桜の下で休憩したのだろうか、さぞかし気持ちよかったろう。この桜たちも もうすぐ花を咲かせる。
桜峠から大峠へ
桜峠からは東に向かわねば。が、が、どおしましょう、この荒れ地の突破。
巻き道に入ろうか?とも思ったけれど、結局、ましな?ルートひろって 稜線を通すことにした。戻るのってさ、めんどくさいものね(笑)
眺めるより現実は歩きづらい、踏み込むとずぶずぶと痛いヤブに潜ってしまい、スボンの上からちくちく。 ふーふー、流れる汗を拭きながら、ふりかえれば北岳~鳳凰オベリスクまでが青空にクッキリ映え、神々しく美しく、そんな展望に救われた。
荒涼感 あふれます
じきヒノキ林にはいると気温も足元も涼しくなり、ペースが上がる。
670m峰手前に石祠見る。やがて左側は、ヒノキ林がまだ幼木で背が低く、甲府盆地を一望しながら歩けるようになる。あと1ヶ月もすれば桃の花ざかり、一面のピンクのカーペットになるだろう。(ヒノキが育つまでの限定お楽しみコース)
快適に縦走をしていたら 驚くべし、新品ぴかぴかな林道大鳥居線が現れ、見事に尾根ぶった切りされていた。
林道を越えてからも左は甲府盆地を見下ろし八ヶ岳、奥秩父を長めながらの歩くことができた、きょうのような暑い日は、植林も涼しくて気持ちよい。道の途中に三角点があり、すぐ先のピークに『三ツ俣尾山』 きょう唯一の表示である。
前方には大峠の尾根が横たわる、アレレ、なんだか複雑な地形だよ、
改めて地図と首っぴき。このあたりの広尾根は 赤松&雑木林。 明るく心地よい尾根である。 鞍部には水たまりもあり、動物たちの天国なのだろうな、水飲みに来る鹿や猪やお猿のことを思ったりしながら通り過ぎた。いい感じ・・
ともかく大峠まで行こうと、そのまま進むとと二又にわかれる。当然右の道をゆく。
そこに待っていたのはなんとも素敵な雑木林、きょういちばんの森だった。
裸木の林のスラリとした木々が美しい、空も青いし、最高な気分。きっと、芽吹きも、新緑も、紅葉もすてきだろうな、と、さまざまな森のようすを思い描き、ニコニコしながら夢心地。 こういう森がずっと続きますように・・・
大峠から901m峰
稜線に上がり、茶屋平への道を分ける*。 このあたりも感じがよい。いったいどこが大峠なのだろう。912mピークに立ってみた。なんの変哲もない。 *の分岐点が大峠?
まぁいいや、 912mピークはワサワサした、おちつかない場所で、ランチをする気も起こらず、南への道に進んだ。
テープも、もちろん道標もないこんな山の中に、
お地蔵さまがいらっしゃった。嬉しくてそっと
手を併せる 『どうかおまもりくださいませ』
895mあたりで 尾根を降り、道なりに行くと
キレット状の地形が現れ正しかったことが
分かりホッとした。 もういちどキレットを過ぎ、
上がったところが 901m峰だ。
静かな山頂でランチ。 落ち葉のドームは
素敵なのに、空ボトルやゴミが。。。
901m峰~中山~駐車場所
さて、ここから どう降りましょう。 相談の結果、最短の中山へ下ることにした。
他のコースは岩マークが絡んでいてる、なんとなく、中山への道がいちばん、
なにごとも起こらなそうな気がして早く降りられそう。
およよ、のっけっから急降下。すると道は消えてしまい、落ち場の尾根を
ただひたすら、が~~~っと下って行くばかり。
あれえええ~~~~
威勢良くて気持ちよけれど、尾根が分かれるたびに、いちおう位置確認。
ガンガンガンガン下る、いいのかね、これで、と思うほど、ガガガンと下る。
ひと息ついたところで、右から谷を巻いてきた道と合わさった。
710mあたりが尾根を降りるポイント。気にして行く。そこは地図から広尾根と思っていたら、予想外の地形で凸があり一瞬面食らうが、ちゃんと おりくちに出会えた。
入り口はヤブっぽいが、すぐ迷いようのない確たる道形となり、やがて眼下に車道や家々の屋根が見え、無事中山に着地。 <(_ _)>
畑熊入り口の駐車場所までの車道でも、芦川の清い流れ、対岸のダンコウバイ、そして 『千波の滝』など、うららかな春の陽ざしを浴びて歩く。
芦川をバックに石仏
『千波の滝』・・氷瀑は登山家の訓練の場、と看板に書いてあった。
近づけるなら、近くまでいってみたいな。
ああ、きょうは、ことし初めて 春を満喫できました。
いろんな偶然が重なって、たくさんのお花に出会えました、
無事、山を下りることができました。
道や花のこと教えて下さった町営バスの運転手さん、ご一緒して下さったフクシアさん、お花の咲く山主のお家の方々・・・
てんのかみさま、おじぞうさま、みなさま ありがとうございました。
ミスミソウ
セツブンソウ
ではまた (^^)/~~~
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