北ア☆天空の花園を歩くよ (4)双六岳、弓折岳、下山
最終日は双六小屋から新穂高にむけて下るだけなので、朝、双六岳を周回してみました。 (^o^)v
双六小屋を後に下山の道……、最後まで花*花は続きます♪ 前方は笠ヶ岳?
2007年8月7日(火) 晴れ、曇、晴れ
双六小屋(+双六岳周回)~弓折乗越~鏡平~わさび沢小屋~新穂高温泉
4時過ぎ目が覚めた。「晴れてるぞ!」と廊下の声がきこえる、あわてて跳ね起きた。やっぱ双六に登ってこよう。ご来光も拝みたいし (^^)。 急遽、空身で小屋を出た。
東の空に赤みがさしている。ハイマツをぬけ中道分岐をすぎ、急登の岩道の一歩一歩を踏みしめて登る。 早朝はエネルギー満タン、おまけに荷物もないので足も心も絶好調だ!
ふり向けば東の空がぐんぐん明けていき、北側に槍のシルエットが力強い。
あっけなく双六の肩?に乗る。
このころから猛然とガスがわき始め、クリアだった展望が消えてしまった。
山頂の不思議な光景、草の生え方、どうしてこんな風なんだろう?
周囲は霧に囲まれ茫洋とした広がり、とりとめなさって快感? 大きなケルンの意味を理解する、西からの風が強くふきこみ、冷たい。
だれもいない双六山頂、うっかりしていると直進しそう、「黒部五郎小屋→」の道標に従い右折するようなかんじで、稜線際の登山道に。
するとぱたりと風が消え、華やかなお花たちのお出迎えを受けた。
キバナシャクナゲ ミヤマクロユリ
← イワカガミ
分岐からきのう歩いた中道を行く。 雪渓が消えたばかりで、ピンクのイワカガミやショウジョウバカマが、可愛らしい。
左側のカールの谷はガスで埋め尽くされている。
ふいにガスが切れたりすると、ゾクっとするような青空が覗く。
そこになかなか美形の山が姿を現した。
「ワシバ岳さん、ワシはもう、けぇらねくてはねらねぇだよぅ」
双六小屋が見えてきた頃、登山者がぞくぞく上がってきた。
入れ替わるように閑散とした小屋に戻り、うどんを注文(\600)。いやぁ、今までで一番おいしいうどんだったヨ。
さぁ、いよいよ下山、当初の予定より大分遅いけど、まぁどうにかなるでしょう。
テン場を過ぎ、双六池をすぎ、延びて行く道は花の道。トップの写真のようなハクサンイチゲ、チングルマ、など多いいが、コバイケイソウは、花の一番美しいとき。
そうして尾根に乗った。やはり東側はガスかかり、槍も穂高も雲の中。でも、足元や谷底には花が群れ咲く。クルマユリ、トリカブト(ふだん丹沢などで見るヤマトリカブトとは違う種類)、ヤハズハハコ、おそらくハクサンシャクナゲ…
おや、なんだか楽しそう。中学生たちが雪渓の雪を掻きだし氷イチゴなんぞ食べている。
「うめぇ~」なんてはしゃいでた。
雪渓の隣は花畑、ハクサンイチゲやシナノキンバイが乱れ咲く、道標には「花見平」。
じき弓折乗越に到着。見下ろせばジオラマのように小さな池と鏡平山荘、くねくねと道が延び、登ってくる登山者が点々と見えている。
思い立って弓折岳にもよってみた。ひとけのない静かな山頂、雪渓がずいぶん遅くまで残っている。今度ここに来るとしたら笠ヶ岳のとき?、でも来られるだろうかな?
鏡平までは下り一辺倒。気まぐれに顔を覗かす槍ヶ岳を正面に眺めながら快調に下る。下るほどに暑くなる。登ってくる人たちは 誰も真っ赤な顔でつらそう。
鏡平山荘でランチをすませ、思ったより長居をしたので、計算したら新穂高発のバス時間に余裕がない。「急がなくちゃ」と気は焦る。でも石ゴロゴロして それほどスピードがでなかった。 シシウドヶ原、イタドリヶ原、どちらも地味~な名前だなぁ・・・
急いでいるし、暑いしで、アゴがでかかったころチチブ小沢の流れに出た。
地図に水場とあるチチブ沢の一個手前だが、小ぶりなプライベートな空間が気に入り、休憩。
冷たい水で顔を洗ったり、体を拭いたりして。ようやく涼しくなってきた。傍らにミソガワソウやクルマユリ、シシウドなどが揺れていた。ささやかなユートピア (^O^)
左俣谷は恐ろしいほどの暴れ沢、崩れ流された大きな石が、野放図に積み重なり、ダケカンバの大木は次々となぎ倒されている。
そうした川というより岩の重なりはやがて広い河原をもつ流れになり、鉄の橋が渡り、林道がとおっている。ここからはその林道を歩く。
ワサビ平小屋までもう少し、急げ急げ、写真なんか撮ってるヒマないぞ。でも一枚、もう一枚…。
林道はずいぶん立派なブナの森を抜けている。涼しげな水色のソバナも咲いている。
ワサビ平小屋で冷えたトマトでカツを入れ、この先から、とうとう小走りになってしまった。
新穂高ではどうしても温泉に入りたい。
急いだ甲斐あり新穂高まで35分で来られたのは、我ながらエライ。
まずはバス停の場所とバス時刻の確認、次に温泉を探さねば、
な、なんと真ん前に「アルプス浴場」という無料の温泉、覗いてみたら誰も入っていない、超ラッキー、ありがたくお湯を頂戴した。(この温泉は有名らしい、後で聞いたら 誰もが知っていた) 湯上がりにビールとラーメンで〆、無事にバスの人となる。
こうして あっという間のようで、なんとも充実した3泊4日の山の旅は無事終った。
長々と山行記録におつきあいくださいましたみなさま、 ありがとうございます。 これからも みなさまのお助けをいただきながら、長く細く、山歩きを続けたいと思います。
【エピソード】
平湯温泉からの高速バスが諏訪SAをすぎたころ ”!” ハタと気づいた。
わたしの下りる”八王子”って 八王子ICじゃなくて八王子BSじゃない?
いったいどこなのさ、八王子BSって? 下りてみればうら寂しいどこかの町。 幸いもうひと方下りられて、さらに幸いなことにタクシーが通りかかり、西八王子駅までご一緒させていただいた。 もしその方がいらっしゃらなかったら? 店もなく人通りもないあの夜のまち、さまよい歩くはめになり、帰宅はずいぶんと遅なってしまったろう。
あの日、ご一緒して下さいました方、どうもありがとうございました。
タテヤマリンドウ
【きょうの行程】
双六小屋 04:40-双六岳周回-(戻)06:45/07:35-花見平(10)-弓折乗越09:15(10)-(弓折岳ピストン)-(戻)09:45 -鏡平 10:30(30)-チチブ小沢12:15(15)-(15)-林道13:20-ワサビ平小屋 13:35(15)-新穂高温泉 14:25 (歩行8時間)
ではまた (^^)/~~~
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コメント
全て拝見しましたよ~(^_^)
花良し、景色良し、選んだコースもまた良し。
後半はお天気にも恵まれ良い山行きでしたね。
やっぱりたまにはスペシャルな山行きいいですね~。
楽しませていただきました(^_^)
来年は何処ぞ^^;
投稿: Hg | 2007年8月17日 (金) 22時45分
うわぁ 早い
まだ手直し中だったのに、といっても たいして変わりありませんけど^^;
偶然にも お花の多い,、いい感じの山山にあえて お天気にも恵まれて
ラッキーでした。
スペシャルはねぇ・・・なかなか行けない、だからわくわくなんですねぇ (^^)
そうそう Hgさんが語る”雲ノ平の思い出”の山行き会、
きっとスペシャルな一日になるでしょう ハハハ
来年 東北にも行きたいし、北ァも素敵だしナ、、、、、
それまでに もっと鍛えねば (笑)
投稿: ba_sobu | 2007年8月17日 (金) 23時22分
私も全編拝見させて戴きました。お花も沢山咲いて天気も良く体力も充分で満点ハイクですね。
もう来年の話ですか・・・、と思いましたがあっという間にその時期が来るのですよね。私は時間と体力があれば秋にも歩いてみたいなあ~と思っているのですが。
九月末に唐松岳から八峰キレット、白馬岳、白馬鑓温泉へと歩いた時は雪渓と黄葉と夏の花(この年は雪解けが遅かったのです。)と、とても素敵な場面に曹禺したのでした。何時行っても素晴しいという事なのですね。
そうそう、私のブログですが、三日間の栂海新道の山旅を超簡単に記してしまいましたのでアルバムを作りましたので時間があったらのぞいて見て下さい。ブログとリンクさせてあります。
投稿: フクシア | 2007年8月18日 (土) 05時35分
フクシアさん、やっぱりパソコンを (^O^)、
わたしも同様に、パソコンで遊んでしまいました
あれ、もうこんな時間だ。。。
雨が上がったみたいですね
む~
秋ですか・・・いいでしょうねぇ
Dさまと? それとも Rさま(Lさま)と?
これから さっそく アルバムを拝見にうかがいますね(^^)
わたしも 今回のお花のアルバムを作るつもりでいます。
投稿: ba_sobu | 2007年8月18日 (土) 06時30分
お姉さま!こんにちは~。
昨年夏の白馬岳で『来年は雲の平だよ~』と
私も言ってましたが、マメ台風の襲撃を受け
今年の夏山は日帰りで終わりました(笑)
贅沢な3泊4日で羨ましく拝見!お花も見事ですね。
それにしても、自炊班ですか・・・タフですね!
楽しい文章に引き込まれ一気に読みました写真も綺麗!
居ながらにして北ア行った気分です♪
投稿: さくら | 2007年8月18日 (土) 16時26分
さくらさん こんばんわ
ことし北アにしたのは やはり去年の白馬の流れです。
「雲ノ平」というところは 行っておいた方がよいと
”わたしの”お姉さまに 言われてました。
あの高原の風景は 今までの北アルプスのイメージとちがうので
ビックリしました。でもたいした 人気ですね(^^)
わたしの自炊などなんのその、さくらさんはテントでしょう?
その細身のお体でよく担がれますね~
今回自炊にしたのは、今回、食事つきにしたら、東北には行けなくなるという、恐怖感があったから。
飯豊と以東岳、行かなくては!!
投稿: ba_sobu | 2007年8月18日 (土) 21時53分
はじめまして。素敵な文と素晴らしい写真の山紀行、それに私と同じ時期に同じ場所にいらしていたこともあって楽しく拝見しました。花のことも詳しくて、同じ場所を歩いていても自分が気づかなかったことなども含めて、自分の山歩きをいろいろと新たな視点から思い出しています。
トラックバックをつけさせて頂きました。よろしかったら私のブログにもいらして下さい。
投稿: pockn | 2007年9月 6日 (木) 13時03分
pockn さま はじめまして
pocknさんのサイトを拝見しました いろいろ思い出すことが多く、再び楽しめた気がします
岩苔乗越から高天原に下られたのですね
わたしはここを登ったのですが、今回のなかで 特に印象深いところでしたので
下るのはどんな感じだろうと想像しながら楽しく読ませて頂きました
写真が、特に山の写真が すてきですね それ以上にスケッチが・・!!
また おじゃまさせてください。
これからもよろしく。
投稿: ba_sobu | 2007年9月 6日 (木) 21時59分