大室山の初夏の風景
2007年7月25日(水) 晴れ/曇
久しぶりに晴れた。
気象庁は「梅雨の中休み」というけれど、梅雨が明けたかのように真夏の太陽がギラギラ、そんな日に選んだ山は しぶ~く丹沢の大室山。山頂のバイケイソウの花が咲いている景色を確かめたくて~~ (^_-)
【コース】 神ノ川日陰沢橋P08:30-とりつき08:55-(15)鐘撞山 10:10(15)-(15)大室山12:50/13:20-ベンチ14:10(15)-犬越路14:50(20)-P16:10
神ノ川の日陰沢橋に車を置き、まず鐘撞山をめざす。周回するために最短の井戸沢左岸尾根からとりつくことにした。
林道を30分ほど戻ったところ(採石?会社向かい)、以前は尾根の左奥から登ったけれど先端に階段ができていたのでここから山に入る。ところが道はジエンド。でもまぁ、藪なし斜面を5,6分も登れは尾根上の径路に出られる、あの階段は登山道を作成途中なのかな。
そのままぐいぐい檜の美林を登って行く、風もないのでふうふう汗をかきながら1時間ほどで林が切れ展望地に出た。南側に大きな山と凸凹の稜線、檜洞丸(熊笹ノ峰)と大笄小笄だ。青空に緑の稜線、久しぶりの目にする素敵な山の景色だ (^^)
すぐ上が鐘撞山の山頂で、雑木林に囲まれた落ち着きのある広がり、祠と山名標、武田氏埋蔵金のかめ伝説の説明。そして山の名にちなんで鐘が設置されていた。西側の木立の上にはでっかいでっかい大室山の姿があった。
通い慣れた?道筋をヒョイヒョイ行き、934mで右折(左から尾根を合わす)、950m~1100mの急登地帯になる。ここのコースは来るたびに変わっていて、今回も途中から初めて辿るルートだった。
へろへろになって1100mで汗をふき、あたりを見回すと素敵なブナ林が広がっている。この先も尾根の左はヒノキ林、右はなんとも若々しい無垢なブナ林なのだ。
「これだから”ブナの丹沢”っていうのね」とほくほく、登っていった(^^)。
やがて日陰沢新道を合わし勾配も緩やかになってくるあたりから、お目当てのバイケイソウが現れ始めた。
もう終期で半分以上の株は茶化して倒れ消えかかっている。そうだった。バイケイソウって綺麗さっぱり消えちゃうんだ。
それでも花付きはよく8割以上の株に花が咲いていた。
でも、あの、、、、今ごろは青々とした下草になっているはずのトリカブトの姿がどこにもないぞ。・・・・
ようく見れば黒い針金のようなのが・・・・
うわっ 全滅?
ウソでしょ?
いえ、これが現実なんだ。
展望のよい(きょうは霧で埋まっていたけれど)伐採地をすぎる。
ナツツバキの花がよく咲いていた。
左に崩壊地が現れてくる、大分山頂に近づいた。霧がどんどん流れてくる。
お馴染みの大ブナたちと再会、ああ、この木は無事でよかった。あっちのは? 喰われているよ、ハバチの被害がとても気になる。
東北斜面のブナ林は、それほど奥まで歩かなかったので確かでないけど、ハバチはまぁまぁ大丈夫??と思うのだ。希望的観測(祈)
バイケイソウの最盛期は終わっていた けれど、まだまだ見応えがあり、写真を撮りながら歩く。 ここのトリカブトの被害は、群生の規模が大きいだけで深刻。茎が黒く枯れ、消えているもの、遅れて葉が黒くなってきたもの、上の方にかろうじて緑の葉を縮らせているもの、でも、遅かれ早かれすべて消えてしまうだろう。本来なら地表を隠すほどのトリカブトの緑のうねりの場所なのに…
霧が深くなり、登山道の前方がまったく見えないほどだ。
前方から5,6人のパーティが現れる。かれらは自然保護?活動の人たち、「上にブヨがいるでしょう?」と、お声をかけてこられた。
「はい、それで逃げてきたのです。あのぅ、、、この辺のブナはずいぶん虫に食われてますねぇ」 とお聞きすると、やはりハバチの大発生だそうだ。
「で、そのブナは今後、どうなるってしまうのでしょう?」
「一年では枯れません、でも一回ハバチにやられた木は、翌年もやられる傾向があるんです、そして何年か続くと枯れてしまうんですよ。」
「心配だわ・・・ それから、トリカブトが黒く枯れてますけど?」
「そうですね、やられてますねぇ、どうしてなんですか?」
と逆に問い返されてしまった。かれらは、専門家、虫オンリー?
植物のことも、いろいろお聞きしたかったなぁ・・・
大室山の西の肩から犬越路への道をくだる。ここがバイケイソウの一番濃いところで、最盛期を思わせる花の群落があった。
バイケイソウ花の後期、咲き終わる 同じ斜面、一昨年の芽吹きのころ。
と茶色になり株が倒れ消えてしまう。 バイケイソウの芽が出ている。
トリカブトは枯死して消えてしまって 緑小さいの草は、すべてトリカブト。
いる。 地表を覆うほどである
ここのブナ林は、大室山最大のハバチ被害地。なだたる大木がことごとくやられている、霧に隠されて目立たなかったけれど、クリアだったらもっと悲惨だったかも。
トリカブトの枯死状況も同じ。こちらは黒く消えてしまうので、知らない人はきづかないかもしれない
大分くだり、尾根の形もハッキリしてくるあたりでは、もうブヨはいない。霧も薄れ周りがようく見えるようになった。重い曇り空。天気予報の”曇”は当たったね。三角点を越えると。もう犬越路だ。
新しい犬越路避難小屋に訪れたのは初めて。
まぁ、まぁ、すてき。ぴかぴかな床、透明な大きな窓。いいな、丹沢の小屋もどんどん素敵になるね(^^)
最後の下りに備え、小屋前のベンチにねころんで、、心地よい空気に吹かれながらのんきにお昼寝だぁぁぁ。
犬越路から神ノ川に下る、今回驚いたのは、その荒れよう。以前から沢が暴れるらしく、しょっちゅう道は付け替えられたり崩壊していたりする。今回も石ゴロの上に崩れた岩ゴロが被さり道が消えていた所あり、まだ手当はされていなかった。この岩ゴロ状態は木橋で川を渡るあたりまで続いていた。
そして無事、日陰沢園地に到着。神ノ川ヒュッテ前の水場で一休みした。
きょうみた良いこと悪いこと、すべて躍動するのが、自然の姿だ。
沢が暴れ崖崩れし、ハバチがぶなの葉を食い尽くし、なんかがトリカブトを全滅させ、バイケイソウの花が何年ぶりの大当たりしてる………
でも、来年は
トリカブトのお花畑ができているかもしれないし、
ぶなは勢力を盛り返してるかもしれないね…(^-^)
鹿の食害調査の鹿柵の内側は、こんなに植生が豊かでした。
では またぁ (^_^)/~
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コメント
こんばんわ~~。
大室山ですね、以前にも書いたとおり気にはしているのですが、なかなか足が向かなくて・・・どうもすいませんm(__)m
バイケイソウの当たり!は関東だけではないようですね、数は少なかったですが秋田でも、南アでもちゃんと花持ってました。
トリカブトは何故?昨年はどこでも見たような記憶があるのですが、今年は他の地域でもこうなの??なんて気になってます。
先週は花の山を歩いてきました。南大菩薩は歩いてからba_sobuさんの古い記事も読ませていただきました。少し季節を変えて歩いてみようかな?なんて思っています。ただ、車道が近くまで来すぎてますねぇ(-_-;)
投稿: yamyam | 2007年7月31日 (火) 20時29分
バイケイソウといえばボクも丹沢が浮かんだので気になっていたんですけどやはり行かれていたのですね。(^^)大室から西へ向かうと木道が架かっていますがあの辺りもバイケイソウばかりでしたんでしたっけ?
しかしそれよりトリカブト・・・無惨ですね。こうなるともう綺麗な群生は見られないのかも知れません。シカが手をつけないからある意味「鉄板」だと思っていたのに。。。
そうそう丹沢のブナハバチ。大室は大丈夫のようですが今回は檜洞が壊滅状態のようです。
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiijul0707651/
投稿: komado | 2007年7月31日 (火) 21時55分
yamyamさん 梅雨明けたようですね
南大菩薩、甘いスイーツのような
ショートケーキの可愛いトッピングのような
いつ行っても美味しいところですね
アレ でも わたしは今年は行き損なっています。
でも まだ お花は愉しめますね
これからは ヒメヒコダイ、シモツケ、などなどですし、そのあと ウメバチソウ、マツムシソウ タムラソウ・・・
おもいだしていたら ワクワクしてきました
どうにか 都合をつけていってみたいなぁ
大月側からは車を使うこともありますが 塩山側だとタクシーなので、節約のため 湯ノ沢まであがらず登山口から歩きます。
通っているうち、この沢道が楽しくなってきました。
トリカブトは数年前にも 同じようなことありました。でも2~3年で復活 さらに 2~3年後が今回です
いったなんですかね ビールス説というのをきいたことがあります
三日前くらいに行った三国山~明神峠のトリカブトは元気でしたよ ヒノキボラはどうなのかしら?
投稿: ba_sobu | 2007年8月 1日 (水) 15時35分
komadoさん こんにちわ
yamayamさんへの 返信と微妙に重なるのですが、実はこの日は 金峰山潰れて、南大菩薩に行く計画だったのですが、人数がガタヘリしたのと南大菩薩推進派の人が行けなくなったので、大室山に切りかえました、
もちろん 数年に一度のチャンス?のバイケイソウの花見を逃がすなの 吸引力も大きかったです。
ヒノキボラのハバチは想像できます
なぜなら 大室~犬越路のブナがかなりやられていたから
こりゃヒノキボラはだいじょうぶかなあと 心配でもあったのです
あの、5月に歩いたばかりのヒノキボラ北尾根のぶな森が今どんなか、気になります。
トリカブトは、ねぇ、あれは 周期的なのかなあ
前回は2,3年で復活、花は一昨年がピークでしたが
今回はどうなのでしょう??、こちらも気になってしまいますよお。。おろろ~ん (-_-;)
投稿: ba_sobu | 2007年8月 1日 (水) 15時49分
お久しぶりで~す!
びっくり!!大室山のトリカブト 楽しみにしていたのに
そんなことあり??
ハバチ? どんなハチ?・・・検索してみました。
こんな天敵がいるんですねえ。
犬越路から神ノ川に下る沢 5月に歩いたとき大雨のときはこの沢はどんな姿になるのかなと少し恐怖を感じました。
ba_sobuさんのレポを読むといつも自然って生きてる・丹沢も生きてるって感じます
投稿: カルディナ | 2007年8月 2日 (木) 16時51分
いよいよ 夏到来ですね
カルディナさんも充分足慣らしされたようですし
いよいよですか (^_-)
車で遠出ができるなんて ほんとにうらやましいです
さて、トリカブトですが 自分でもあんなに宣伝していたのに
ことしは残念で、困ってます。
でもこれは大室山だけなのか どうかはわかりません
いったい何が原因なのでしょう。病気?
というわけで、ことしは色んな場所のトリカブト注目してみようとおもいます。
梅雨明けた、この短い美しい季節 夏ばてしないで大切にしたいですね
ことしの遠出は どちらでしょう??
投稿: ba_sobu | 2007年8月 3日 (金) 00時02分