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お正月に本を~

暮れから正月にかけて、山にまつわる本を3冊手にしました。

凍」                 沢木耕太郎 著 新潮社                2.「静かなる尾根歩き」      松浦隆康 著   新ハイキング社             3.「丹沢の行者道を歩く」     城川隆生 著   白山書房

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1・・「凍」は 世界屈指の登山家・山野井泰史・妙子ご夫妻の、ギャチュカン登攀を軸にしたノンフィクションです。一気に読んでしまったあと、主人公の(とくに妙子さんの)生きざまにどしんと重い、けれど快い衝撃を受けました。   2005年8月号「新潮」に一挙掲載された「百の谷、雪の峰」を改題したものだそうです。オススメです。

・・「静かなる尾根歩き」は、その副題にあるように関東近辺の静かな山々100コース余を、簡潔かつ的確に紹介下さっているすばらしいガイド本です。しかもそこに筆者の息づかいが感じられます。たとえばNo.30大室山北尾根(2月に歩かれた)の最後、「春が来た時には春はもういない。春はそれを待つ人の心のなかにある」ということは、今こそ一番の春なのかもしれない。心の中にいろいろな情景を思い描こう。すると春の方から足音をしのばせてやってくるだろう。   さすがに読破はしていませんが、いつもかたわらに置き、折にふれて参考にさせていただこうとおもっています。

・・「丹沢の行者道を歩く」 まえがき冒頭に、「これは歴史の本である」とあります。わたしは「修験道」という言葉を、山を歩き始めてまもなく仏果山の近くの『八菅修験の道』という看板で知りました。仏果山~経ヶ岳~華厳山。大山に行けば至るところに行者の足跡があり、丹沢主脈には、木の又大日、行者ヶ岳、不動の峰、地蔵尾根、・・山の名、沢の名、滝の名も、神や仏が宿っているようなのが多く、不信心なわたしでさえ何かを感じていたのでした。                                                               山形月山の弥陀ヶ原、加賀の白山にも弥陀ヶ原があり、なんと丹沢の蛭ヶ岳の近くも弥陀ヶ原、龍ヶ馬場は丹沢にも白山にもあります。このように茫洋と、な~んか繋がっているのかなぁと思っていた事物が、やはり山岳宗教修験道と深い関わりを持ち、その路は峰峰を越えて通じていることを知りました。                               IMG_2966     かつての行者道をそのまま辿ることは無理かもしれないけれど、山道を歩いてるときその片鱗に触れることは出来ると思います。滝や岩や大きな木に神の宿りを見た、その心が分かる気がするからです。かつて修験者たちは、お峰入りの行として大山、塔の岳、丹沢山、蛭ヶ岳を歩くとき、あの尾根の笹原から突き出している峰峰を仏様の頭にみたて、そこに金剛界マンダラの世界を見たのだそうです。                                                    (丹沢主脈、蛭ヶ岳と鬼ヶ岩ノ頭       撮影 N.O.)

                                                                現在、たとえば塩川滝の近くにあるという(龍が翼を広げてる姿の)胎蔵界滝、そこへの道は消えてしまったばかりでなく、ようよう辿り着いてみればすぐ上に走る林道から粗大ゴミが投げ込まれ滝壺が散乱しているとか、霊山の端山たる末端のルートは採石され山自体が無くなってしまっているとか・・・、の記述もありました。                                                        そうだよね、・・・・・  これ以上、山から神さまが逃げてしまわないようにしなきゃと思ったりもしたのです。

(3D画像の鳥瞰図は見づらいしちょっと多すぎる気がしました)

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» 「凍」  沢木耕太郎 [仙丈亭日乘]
「凍」  沢木耕太郎 お薦め度:☆☆☆☆☆ この本は凄い。 帶にはかう記されてゐる。 「もはや、フィクション、ノンフィクションの區別に意味はない。 ここに壓倒的物語が存在する。それがすべてだ。」 この言葉に僞はりはない。 まさに「壓倒的な物語」である。 それも事實に基いた・・・。 山野井泰史と山野井妙子の夫婦がヒマラヤのギャチュンカン(7952m)に挑んだ。 この山は8000mにわづか... [続きを読む]

受信: 2006年2月 5日 (日) 22時51分

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