白山、そして石徹白の道
石徹白(いとしろ)道は、古くからの白山参拝路のひとつで美濃禅定道といわれているそうです。下りでも10時間はかかるという長大な尾根で、白山から南龍ヶ馬場、油坂ノ頭、別山、三ノ峰、ニノ峰、一ノ峰、銚子ヶ峰とつなぎ 石徹白の大杉のある登山口まで続きます。
別山に向かう、ハクサンイチゲ、クロユリ、コバイケイソウ、etcetc
2005年 7月25日(月) 曇り~晴れ
室堂を5時半に出発し、濃い霧の中をトンビ岩コースで南龍ヶ馬場に向かいました。 ハイ松、トウヒなど、良い香りを、しみじみ香りを吸い込みながら低灌木帯を抜け、トンビ岩
を越えるとそこは、クロユリ、ハクサンコザクラ、チングルマ~のお花畑。 朝露に濡れたいちだんと趣深い風情に、つい歩みもノロくなりがち。。。。
南龍ヶ馬場につく頃はガスも晴れ、だだっ広い平原に抜けるような青空。うわ~大声で歌いたくなってしまう♪ ニッコウキスゲ、ハクサンフウロ、イワイチョウ、クロ ユリも今を盛り。にこやかな陽射しにあぶられながら、ひとけのない石徹白道を辿ります。ゆるゆる下った 赤谷(水場)の鞍部からは、油坂の急勾配がそそり立ち、 ちっとも減らない背中の重荷がぐっと応えます。でも、一歩一歩地面を踏みしめていると、高度感がぐんぐん増し、県境尾根に乗ると「ワーオ!!」
前にコバイケイソウ、奧に ハクサンコザクラ
雪渓の消えたばかりの枯草色にさまざな小花の群落。白、黄色、ピンク・・・コバイケイソウの大きな花穂は、遠く谷底まで連なりガスの中に落ち込んでゆきます。足元に目をやると、笹の間にクロユリの花、次々目で追えば、ヤブの奧にも奧にも咲いている。 はくさんいちげ、ハクサンチドリ、イワカガミ、ミヤマウツボグサ。 花は低地のものより鮮やかで大きい。えぐれたような崖のキワの道もあり、冬の厳しさが思われます。でも、そこを彩る花たちはなんと優しげで、なんとあたりまえに咲いているのでしょう。
やがて急撃に空が晴れ、素晴らしい太陽の輝きに包まれました。 緑の斜面のニッコウキスゲは、黄色い炎のように燃えています。ガスが勢いよくすっ飛んでいきます。これはいっときの天のサービス、別山に登り着くと濃い霧の幕が下り雨さえふってきました。
別山を訪れる少ない登山者のほとんどは、チブリ尾根で市ノ瀬に下ってしまいますが、わたしたちはさらに南へとむかいました。
岩室跡や石垣跡、『石徹白まで○㎞』の標柱に励まされたりがっかりしたり、ひろやかな道 、がれた道、
さまざまな花たちを楽しみながら、ひたすら歩き続けました。
ガッチリとした三ノ峰をのっこし、お花畑をだたっーと下ると『三ノ峰避難小屋』。「どうしよう。 あと2時間40分歩いて、神鳩ノ宮避難小屋まで行くか? 」「行こう!」「行けるよ!」「行っちゃおう!」 全員一致で、もうひとがんばりすることに、よっしゃ!
えんえんとこのような道が続きます。ニノ峰、一ノ峰、 登りはたおやかですが、実は裏側がくせ者。ガレガレの急勾配で疲れた足はヨレヨレ。 でもこういう尾根あるきは、ふだん出来ないスペシャル感。過ぎてしまうのがもったいなくて、何度もふり返っていました。
最後のピークの銚子ヶ峰には15:35着。遠くに可愛らしい赤屋根が見えました(神鳩の宮避難小屋)。その間に横たわる笹原の、広大で見事なこと、ほっとした気持で、しばし魅入っていました。(小屋着16:35)
2005年 7月26日(火) 雨、曇り
翌朝は、小雨の中を『いとしろの大杉・樹齢1800年』まで1時間半、さらにすぐ下の登山口から、えんえん1時間40分、林道(白山古道)を歩き、ようやく上在所に到着しました。
そして『白山中居神社』でお礼参り、今回の山行を無事締めくくることが出来ました。
石徹白道は、長いけれど静かな静かな道でした。お花は途切れることなく咲き、最後に広大な笹原がありました。やっと登山口(林道)に下り立ったとき、白山を目指しこの道を登った昔のひとに思いを馳せました。いくつものピークを超えガレ場を抜け溢れる花に圧倒されながら、やっと山頂に立ったときの感慨はいかほどであったでしょう。 わたしにとっての白山も この石徹白道なくしては考えられません。 この道をずっと前から準備計画し、お声をかけてくださったigaご夫妻に心から感謝します。
ささゆり 一ノ峰を過ぎたところに咲いていました。見たのは初めて、すごく嬉しかった。ヒメサユリより ふっくらと優しげな お姉さまの感じです。
(*^_^*)
また会いたいな。
(*^_^*)
。
・・・おわり・・・
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