酉谷の森が萌えている
新緑の森の緑がさらに輝くそのとき・・・!
森のヒトになりきった。
レポは コメント欄に載せました。よろしかったらご覧ください
2005年 5月15日 日曜日、 komadoさんのおかげで、あこがれの三又~酉谷山~ウトウの頭~四間小屋尾根~三又を歩くことができた。新緑のベストの季節、ラッキーな天候、森は一番の顔を見せてくれたような気がする。
酉谷は萌えていた。シオジのすらっとした幹が新緑に映えている。沢道の角を曲がるたび、新しいシーンが眼に入る。こんなにもいろいろな緑が溢れているなんて。岩の苔もフワフワで艶やかだ。
昔の酉谷小屋にも訪れてみた。こういう場所は大きな自然をより大きく感じさせる。もしかして、この小屋に泊まりこの沢の水を汲んだかもしれない人たちの空気のせい?
シャクナゲ尾根をまわりこむと、川が分かれる広がりに出る(1350m圏)。のびのびとしたブナの緑が萌えている。そんな中をあるいていると森のヒトになりきってしまう・・・ (^^) 。
酉谷山には南東尾根をつっきって辿り着いた。長沢背稜をタワ尾根の頭に向かい、その一角のぶなの広場でランチをいただく。穏やかな陽ざしにとろけそうな時間、お昼寝でもと思ったとたん、突然の雨ふり。あわてて荷物をまとめ出発だ。
それもタワ尾根を下るころには晴れ上がり、夏ような太陽が蘇る。ところがウトウの頭ではガスが流れてきて雷も鳴リ出した。大粒の雨に追われるように、四間小屋尾根を転がり下る。雨はすぐ上がったが、風は冷たかった。そんなころ、ふっと尾根がゆるむ。あたりには落ち葉に敷きつめられたブナの森が広がっていた。うすぎぬのようなガスが徐々に消えていく。この枝尾根にこんな場所があるなんて・・・・・・。 (^^)
少しでも長く居たくて、あちこちさまよいながら、ゆっくりゆっくり歩いてゆく。冷たい空気に洗われたのか、雲がすっと透きとおり、にわかに現れた青い空。「あぁ、!」 ブナの森に光が射してきた。
緑の森がさらに緑に輝く瞬間に、わたしたちは立ち会えた。ありがとう、 この一瞬を、見せてくれて、ほんとうにありがとう。
(^_^;)
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コメント
> (^_^;)
のいみをおしえてくだされ。
TABACHAN待ちとか?(笑)
投稿: komado | 2005年5月17日 (火) 20時31分
「ホントは載せてみたいけどなぁ。間に合うかなぁ、、、あとで、できませんでした、ってのも かっこわるいし。今回はパスします!っていいきりたくもないし。、遅くなったら賞味期限が切れちゃうだろうしし、、、できたら 出したいのだけど・・・いうときは、どういう風に書いとけばよいのだろ・・・ わたし ぐずぐずしちゃってるよ、、、」という意味です(笑)
投稿: ba_sobu | 2005年5月19日 (木) 16時24分
ま~おそくなってもいいからさ~
一応レポ出してみようよ!
僕もここのところ遅くなってばっかしで・・・。
投稿: shimada | 2005年5月19日 (木) 19時55分
じつは ・・・komadoさんが書いて下さるでしょうし・・・って、気持ちもございました。 (^_^;)
komadoさんのレポートのタグで。ごまかせないかとも。。。やり方知らないので教えていただいて・・・・、、<(_ _)>
すみません。性根が悪いですね。
とにかく自然の動きは早すぎて、いろいろなことが おいつきません。
ひそやかに、遅ればせて、のせときます。どうせ書くのですから (^^)
ほんとうによい一日だったので。たいせつにかきたいのです。
投稿: ba_sobu | 2005年5月20日 (金) 17時38分
昔の酉谷小屋を懐かしい気持ちで拝見しました。以前に2回(新緑の頃と晩秋の頃)、その横をとおったことがあります。三菱のトランジスタの看板があったと思いますが、戦後直後の登山道で時たま見かける、あのマツダランプの看板とともに昔の面影を懐かしんだ記憶があります。すらっと伸びたシオジ林も忘れられません。
機会があればまた訪れたいですが、次に行くときは、四軒小屋尾根も再訪するつもりです。
日原旧道は、三又から先は「通行不能、この先危険、通行止め」となっていたと思いますが、私は、日原旧道を約5分ぐらい下流沿いに戻ったあと、かすかな踏み跡を追ってウトウノ頭を目指しました。
次回、訪れるときは、もっとよいルートがあれば、そのルートをたどりたいと思っています。四軒小屋尾根を転がり降りられたようですが、直接、三又に降りられたのでしょうか。
大室山のシロヤシオ満開の写真を見せていただき、私も、どこかにシロヤシオを訪ねてみたくなりました。
これからも山の情報を楽しみに待っています。
投稿: 筆まかせ | 2005年5月22日 (日) 19時45分
筆まかせさん、
コメントありがとうございます。
この小川谷の奥は、前々からの憧れでした。旧小川谷林道も 歩いてみたくてなりませんでした。それが叶って、夢のようです。
そして 当日は若葉の美しさを 際だたせるようなお天気の変わり目 天の恵みに心から感謝です。
最後の 四軒小屋尾根のブナ林はまさにクライマックスでした。この尾根の途中に 旧小川林道の 上道が横切るそうですが、ブナの若葉の美しさに見ほれて つい逃がしてしまったので、そのまま下り、旧小川林道の下道に出て 三又へ抜けました。
筆まかせさんの 山のお話もお聞かせ願いたいです、 これからも よろしくお願いします。
投稿: ba_sobu | 2005年5月23日 (月) 23時03分
おとといきやがれ、な 大遅刻の山行記だす。 はてさて、読んでくださる方はいらっしゃるでしょうか?
TAB-192
【日程】 2005.05.15(日) 【天候】 曇り&晴れ&小雨 【メンバ-】4人
【山名】 酉谷山(1718.3m)
【地図】 エアリア「奥多摩」 25000地形図「武蔵日原」
【コース】
犬麦林道入口P07:00-三又 7:40(10)-旧酉小屋08:40(20)-酉谷山10:50(30)-ランチ11:40/12:50-タワ尾根に13:20-ウトウの頭14:25-ブナ14:45~15:10-三又5:55(20)-P16:45
小川谷林道を奧まで走らす。初めての道は不安なものである。でもガードレールはないものの道幅は充分で、犬麦林道分岐の駐車場には先着車が三台、登山支度中の方もいらして、もろもろはまったくの杞憂であった。
小川谷に沿った登山道に入る。深い谷にシオジのすらっとした幹が伸びている。岩道には桟道がかかり新緑でうずまっている。高巻き道の角を曲がるたびに新しいシーンが眼にとびこみ、始まったばかりというのにワクワクの連続で目がくらみそう。谷のスケールがでっかいのである。
やがてホッする広がりの出合いに出た。三又(みまた)、今まで地図で眺めては想像していた、その通りの空間だった。「あれが上道で、そっちが下道ですよ」 通行止めの橋の奧に、”永遠の憧れ”の道がのびていた。わたしたちは右の「喜右衛門坂」という高巻き道をゆく。
シオジはいっそう伸びやかに枝を広げ、若葉ますます萌えさかる。沢は明るく、小滝が現れたりして楽しい。岩はフカフカな苔で覆われ、コンロンソウやエンゴサクやミヤマキケマンが咲いている。酉谷山東南尾根をのっこすが、そこでは取り付かず、なおも高巻き道を詰めて行く。
「旧酉谷小屋ですヨ」komadoさんの指さす先には、圧倒的な自然にひっそり溶けこんでいる小さな小屋があった。時間を超えた不思議な存在。寄ってみればホントにちいさい粗末な小屋だった。使われなくなってから何年たっているのだろう、踏ん張りどうにか立っている。わたしたちもザックを下ろした。沢を覆うようにカエデが枝を広げている。柔らかな新葉に黄緑のめだたない花が咲いていた。その地味な花を眺め、沢の音を聞いているうち、いつしかこの小屋に泊まりこの水を汲んだ人たちのことを想っていた。
小屋の脇からさらに詰めて行くと最奧の二俣に出る(1350m圏)。背の高いシオジの新緑がスカッとした雰囲気。散策するようにそぞろ歩いていく。「照っていたらもっと綺麗だろうに」と誰かさんが言ったとたん、魔法のように陽が射した。梢の向こうに青空が広がりはじめ、みるみる森は明るくなり地面に影が映っている。若葉がいっせいに歌いだす。わたしたちは徐々に左のゆるやかな尾根にのる。大ブナやミズナラ、ダケカンバの木を触り、ハウチワカエデの真っ赤な花の写真をパチリ。
やがて枯れかかったスズタケが邪魔しだし、バリバリへし折りながら分けてゆく。鹿ふんがそこここに落ちているWILDな尾根だ。いまやあり余るほどの陽ざしに汗がしたたりおち、笹屑が肌にひっついて痛痒い。酉谷山の東南尾根は地図のとおりな緩やかさだが、篶のヤブは疲れてしまうヨ。頑丈な篶を分けながら登るので二の腕が疲れる。巡視路巻き道をまたぎ、山頂に直登するために再び篶藪へ。踏み跡を伝ったはずの二人と、はぐれてしまったわたしは、踏み跡ともはぐれ(トホホ)、山頂に出るまでに大汗をかいてしまった。
酉谷山は霞んでいたが、正面にピラミダルな「鷹ノ巣山」、手前に「ウトウの頭」が重なり、ここは「酉谷山」ということで「トリ年三重奏」なのだ。小虫が多く落ちつかないと、よりよきランチ場を求めタワ尾根ノ頭に向かう。すると喜右ヱ門尾根の手前にかっこうのぶな広場が見下ろせた。
ラッキー!とその広場に下りる。穏やかな落ち葉の広場に穏やかな陽ざしがさしこみ、とろけそうな時間が流れている。ランチは済ませたし、お昼寝でもしましょうか・・・なんて言っていると突然、大粒の雨が落ちてきた。あわてて荷物をまとめ出発。雨足は強くなり、ザックカバーと雨傘で歩いていった。
それもタワ尾根を下るころは急速に晴れ上がり、夏のような太陽と眩しい青空が広がっていた。濡れたアセビの葉は艶々で笹すら大元気、ハウチワカエデの花は真っ赤っかな原色の世界をかいま見る、そんなタワ尾根を下る。尾根入口はン年前に覗いたとき、笹ヤブで濛々としており”ぢごくの門”のように思えた。笹が枯れてしまった今は、涼しげともいえる緑のアセビに縁取られ意外や平凡?。これでも笹は復活の兆しということなので、あの下り口は、再び”ぢごくの門”となり、尾根は熊たちの安全な棲みかに戻るのだろう。こういう風に下れるのは今だけだろうな。だってホントはひしひし感じていたよ、大栂が聳えるこの山深さ、もし太陽が出ていなければ、そしてkomadoサンがいなければ、即座にわたしの心臓は、気配を畏れて縮みあがっていることだろう。そんな中、大京谷ノ峰の手前は陽ざしのあふれたなごやかな鞍部で一息ついた。大京谷の峰(1602m)をこえ、大京谷のクビレから岩場にさしかかる、下りでは気を遣う(と思う)この崖も登るにはさして苦労もなく腕の力を使ってエイエイと這い上がれる。めっきり岩っぽくなった道にはイワウチワが咲き残っていて嬉しかった。(ことし大菩薩北尾根のイワウチワを見に行きそこねたのだ)。「あ、あれ!」、先の二人が左の山並みをみては、なにやらブツブツ・・・。おお、なんとも怪しき雲のわき上がり、モクモクこちらに迫ってきてるのじゃない? 「凄い勢いだ、ここまで来るのかなぁ。」とにかくきょうはお天気の変化が目まぐるしいので、何が起きても不思議でない。それから10分ほどで、ウトウの頭のカラフルな山名表示板と再会を果たす。あの怪しい雲はすでに来ていた。
うす暗いような空の下、「さぁ、下りますよ」 komadoサンのあとを追って急斜面を下る。スズタケの斜面は滑りに滑る。でもお構いなし、凄いスピード、だってポツポツ雨の中、おまけに霧も出てきやがった。四間小屋尾根にきちっとのるまでの下り始めが難所なのに。きょうのところは、komadoサンのリードよろしく、尾根を捉えることができ、ふぅ~。しだいに緩斜面となり笹が消えてゆく、明るい緑色が増えてくる。いつしか雨も止んでいた。
あたりは立派なぶな林。こういうのに出逢えるとは思ってもなかったので驚いた。komadoサン、最後にこんな場所をとっておいて、見せて下さったの?「ワ~、いいねぇ、素敵ねぇ」とすっかりご機嫌だ。でもkomadoサンは「ううぅ、、、晴れろ、晴れろ、、、、、」と欲張り。無理だよ、まだ雲は重いし霧も深い、それに気温が下がってガタガタ震えるくらい寒いよ。曇っていたってここの緑は充分綺麗、満足だわ~。こんなに広いぶな林がここにあるってことが凄いんだ、少しでも長く居たいのであちこち寄り道しながらゆっくり歩いていった。
するとふいに、前方の木立に光の輪、えっ?。冷たい空気に洗われたのか、雲がすっと透きとおり、青い空が覗いてる。「あぁぁ・・~」ブナの森に光が射し広がりはじめた。濡れた葉っぱが輝きだし、森全体がみるまに明るくなってゆく。爽やかな空気が流れてきたし、見上げる梢の新緑は、細かな色合いさまざまな葉を重ねくっきり美しい。ぐんぐん広がる青空は、澄みきったなんともいえぬ青さ。緑の森が、さらに緑に輝く瞬間に、わたしたちは立ち会えた。ありがとう、この一瞬を、見せてくれてほんとうにありがとう。森の神サマに心からお礼を言いながら歩いていく。あっちもこっちも歩いてみたいな、空気もいっぱい吸い込みたいし、大きな木には触りたい。上を見たり、下を見たり、後ろ向きに歩いてみたりしながらゆっくり下りていく。
やがてスズタケが現れてくると、じょじょに勾配がきつくなりジグザグ道になってきた、「しまった、上段歩道分岐を見逃したぁ。」komadoサンさえもすっかり魅了されていた?、そのまま下段歩道に合流する。
小川谷の右岸沿いの道もなかなかよい。シオジのすらっとした姿を愉しみながら水平な道を歩いていく。こんな良いところが次々と現れるなんて、きょうのコースは贅沢だ。沢音がだいぶ高くなり、ふいに広々した出合が現れる。あれ?見たような景色、「もしや三又?」「ハイ」これで一筆書きはクロウズだ。わたしたちはザックを下ろす。温かいコーヒーがおいしかった。残りのパンもおいしかった。ここにきて、やっと長らく憧れ聞いていた「三又」や「小川谷右岸歩道」を歩いてたんだ・・と、うれしさがじわじわこみ上げてきた。三又は想像していたとおりの雰囲気だったし、右岸歩道は思ってたよりよっぽど立派だった。
あとは駐車場所まで朝の道を戻る。登り勾配だしザレザレだし、この道けっこう危なっかしかったじゃない?落ちたら真っ逆さまだもの・・・。桟道をわたり、濡れた岩肌を眺め、ヤマウツボやクワガタソウや立派なシオジにもう一度ごあいさつしながら、駐車場所に登り着いた。
「おつかれさま」、着替えをしたり靴を替えたりしている最中にまたもや大粒の雨。、アラ?と言っているうちにもけっこうな雨降りに。あわてて車に乗り込む。雨の林道を走りながら「うっ、ふぅ~、今日の天気はホントに気が抜けないねぇ」「でもラッキーだったよ、晴れてほしいときには、ちょうど晴れたもの」「うん、まずシオジの林でしょ、さっきの四間小屋尾根のぶな林でしょ、それにランチタイムの時もね」。雨の小川谷林道を抜け東日原まで来たら、雨はやんでいた。それで、わざわざ車から降り、酒屋にビールを買いにいった。
おわりだす <(_ _)>
投稿: ba_sobu | 2005年6月 3日 (金) 16時47分